国内

参院選で躍進した「参政党」 心理士が注目した「感覚に働きかける」手法

初めて議席を獲得し、記者会見する参政党の神谷宗幣事務局長(壇上右端)と共同代表の(左から)松田学氏、吉野敏明氏、赤尾由美氏(時事通信フォト)

初めて議席を獲得し、記者会見する参政党の神谷宗幣事務局長(壇上右端)と共同代表の(左から)松田学氏、吉野敏明氏、赤尾由美氏(時事通信フォト)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、参議院議員選挙で政治団体から政党へ躍進した「参政党」について。

 * * *
 参議院選挙で「参政党」が1議席を獲得したと聞いて、初めてその存在を知った人もいるだろう。かく言う私も、候補者のポスターで党の名前を見ていたが、どんな党なのか詳しく知らなかったし、政策を細かくチェックすることもなかった。メディアではほとんど取り上げていなかったし、”泡沫候補”と思われていたこともある。だが開票結果を見て驚き、登録している会員数や集めた寄付金額を聞いてさらに驚いた。

 当選したのは同党事務局長で元大阪府吹田市議の神谷宗幣氏だ。比例選で1議席の当選ながら、同党は比例選で得票率が有効投票総数の約3.33%、176万票以上を獲得。公職選挙法や政党助成法の政党要件を満たす有効投票総数2%をクリアし、政党交付金の支給対象となったのだ。

 立ち上げは2020年4月、わずか2年余りで党員数はすでに8万人超え。党の公式YouTubeのチャンネル登録者数は20万人に届く勢いで、SNSを通じて支持を広げてきたという。集めた寄付金の額も5億円超えだ。党のキャッチフレーズは「投票したい政党がないから、自分たちでゼロからつくる。」。党が掲げる重点政策は3つ、1「子供の教育 学力より学習力の高い日本人の育成」、2「食と健康 環境保全 化学的な物質に依存しない。食と医療の実現とそれを支える循環型の環境の追求」、3「国のまもり 日本のかじ取りを外国勢力が関与できない体制づくり」である。イメージカラーは明るく鮮やかなオレンジだ。

 重点政策の3や、公式ホームページの理念「日本の国益を守り、世界に大調和を生む」、綱領の最初に掲げられている「先人の叡智を生かし、天皇を中心に一つにまとまる平和な国をつくる」などから、保守色の強い党のようだ。だが彼らの演説や動画などからは、従来の保守政党のような歴史観や政治観が延々と語られることもなく、難しい専門用語が並ぶこともない。ネットで調べると候補者らの演説や動画の内容から、食や健康などに関心のあるオーガニック信仰が強い党だとある。

関連記事

トピックス

ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
【長野立てこもり殺人事件判決】「絞首刑になるのは長く辛く苦しいので、そういう死に方は嫌だ」死刑を言い渡された犯人が逮捕前に語っていた極刑への思い
NEWSポストセブン
ラブホテルから出てくる小川晶・市長(左)とX氏
【前橋市・小川晶市長に問われる“市長の資質”】「高級外車のドアを既婚部下に開けさせ、後部座席に乗り込みラブホへ」証拠動画で浮かび上がった“釈明会見の矛盾”
週刊ポスト
米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
新聞・テレビにとってなぜ「高市政権ができない」ほうが有り難いのか(時事通信フォト)
《自民党総裁選の予測も大外れ》解散風を煽り「自民苦戦」を書き立てる新聞・テレビから透けて見える“高市政権では政権中枢に食い込めない”メディアの事情
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン
出廷した水原一平被告(共同通信フォト)
《水原一平を待ち続ける》最愛の妻・Aさんが“引っ越し”、夫婦で住んでいた「プール付きマンション」を解約…「一平さんしか家族がいない」明かされていた一途な思い
NEWSポストセブン
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
NEWSポストセブン