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上海のレストランで闇営業 客は2階に上りスマホの明かりで食事

規制の目をかいくぐり…

規制の目をかいくぐり…

 中国上海市では6月初めに新型コロナウイルスの感染予防の都市封鎖(ロックダウン)措置が解除されたが、いまなお感染者が出ている地区では、外食が原則禁止となっている。だが、規制の目をかいくぐって客を入れて、スマートフォンの灯りで食事をさせているレストランがあることが分かった。

 ネット上では「店内での食事は原則禁止、テイクアウトのみなので、警官に見つからないように、2階でこっそり食べるしかない」との客の声が書き込まれている。米国を拠点とする中国問題専門ウェブサイト「博訊新聞網」が報じた。

 レストラン側では、従業員ならば店内で食事をしても構わないだろうと、来店した客にそこで働くための仮の入社の契約書に署名させて、食事が終わると、署名した「辞表」に提出してもらうという手の込んだ手続きを要求するところもあるという。

 あるレストランオーナーは博訊新聞網に対して、「3月から3か月間のロックダウン期間中はまったく営業できなかった。ロックダウンが解除されたので、やれやれと思っていたところ、テイクアウトだけだったので、本当にがっかりした。こちらも生活がかかっているので、闇営業をするしかない」と話している。

 上海では、このほかにも、通常の市民生活は回復していない。市民が病院やスーパーマーケットに行くために居住地を離れる場合、過去48時間以内に受けたPCR検査の陰性証明書の提示が義務付けられている。このため、ほとんどの市民が会社に出勤したり、通学したりする場合、2日に1回は必ずPCR検査を受けて陰性証明書を発行してもらう必要があることになる。

 中国南部の深セン市でもタクシーやライドシェアを含む市内の公共交通機関を利用する人に対して、上海市同様の陰性証明書の提示が要求されている。北京でも7月に入って、感染者が出た地区ではPCRの検査が義務付けられている。

 これについてネット上では「このようなPCR検査の強制は公衆衛生政策というよりも、地域の党幹部の政治的パフォーマンスだ。党幹部は感染予防に失敗すると厳しく罰せられるので、とにかく党中央から叱責されないために、住民に負担を押し付けている。当局の自己保身ではないか」との声が出ている。

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