「おおっぴらになったらエラいことになるっていうんで、箝口令が敷かれてね。地元の議員は右往左往していましたよ」
そう声を潜めるのは、立憲民主党の愛知県総支部連合会の関係者。この数か月、立民の愛知県連では、組織を悩ますきな臭い事件が起きていたのだという。
発端は5月30日に『文春オンライン』が報じた、名古屋市の焼肉店での「大便放置事件」だった。
立民の愛知県議や市議らが参加した焼肉店の会合で、一行の退店後、個室内の座敷に人糞が放置されていたという前代未聞の騒動で、激怒した店側が警察に被害届を提出。器物破損で捜査が進んでいると報じられた。
同記事によると、当日の参加者は立民の県議と市議、秘書らとされたが、表に出ていない重大事実があったという。
「実は、先の参院選で3選を果たした立民の参院議員、斎藤嘉隆氏(59)もこの会合に参加していたんです。当日の会合参加者は警察の捜査対象になっており、選挙前にこの話が出たら大変だと。それで人糞放置事件について、立民ではダンマリを決め込むことになったんです。参院選の愛知選挙区は混戦で、斎藤議員も薄氷の勝利だった。投票前に表沙汰になっていたら、どうなっていたことか」(立民愛知県連の関係者)
斎藤氏は立民の愛知県連代表を務める重鎮で、党の文部科学部会幹事、ジェンダー平等推進本部副本部長を務める。
現場となった焼肉店を取材すると、店長が「確かに斎藤議員もいました」と認めた上で、こう話した。
「事件があったのは5月8日夜。ウチはもともと立民県議が常連で、党関係者によく利用してもらっていた。あの日は座敷の個室で、斎藤議員と県議、名古屋市議ら計8名が参加していました。18時開始で、皆さんが退店したのは20時半過ぎ。
それで退店直後にスタッフが清掃に入ったのですが、青ざめた顔で“大変です”と報告してきて。座敷に人糞が残されているというんです。最初は半信半疑でしたが、個室に行くと、上座にこぶし大の人糞がこんもりと。臭いもキツかった。飲食店で何十年も働いていますが、こんなことは初めてでした」
立民の愛知県連は一報が出た後、〈記事中の「事件」に関わった事実はありません〉とする声明を県連のホームページに掲載した。
だが、状況から考えて、人糞を放置したのは直前まで個室を利用していた立民関係者以外考えられないと店長は言う。