国際情報

『VOGUE』が「腋毛解放」宣言! 米ミレニアル女性は3割が「剃らない」

同世代から絶大な人気のエマ・コリン(『VOGUE』8月号の表紙)

同世代から絶大な人気のエマ・コリン(『VOGUE』8月号の表紙)

 創刊130年の歴史を誇る女性向けファッション誌『VOGUE(ヴォーグ)』は、今も欧米女性たちのライフスタイルをリードする存在だ。その『VOGUE』が8月号のカバーガールに「腋毛モデル」を起用して話題を集めている。

 そのモデルとは、Netflixの人気ドラマシリーズ「ザ・クラウン」でダイアナ妃に扮した英国出身のエマ・コリンさん(26)で、彼女は最近、ノンバイナリー(性自認が男性でも女性でもない人)だとカミングアウトした。「腋毛モデル」の起用についてノースウェスタン大学のマウラ・クインラン教授はこう見ている。

「腋毛を処理しない若い女性は2014年頃から増えている。ミレニアル女性の10人に3人は腋毛を残している。100年前には剃毛することが美しいというのが常識だったが、今やナチュラル・ビューティの時代であり、なぜ女性だけが剃らなければいけないのかといった男女平等の意識もある。男女の違いを拒否するLGBTQ(性的マイノリティ)の主張に呼応するように、ジュリア・ロバーツ、マドンナ、アンジェリーナ・ジョリーといったハリウッドの大スターも腋毛を剃らずに堂々と公の場に出ている」

 時代の先端を行く『VOGUE』がその風潮を見逃すはずもないというわけだ。同誌が最初に「タトゥー・モデル」をカバーガールに起用したのは2017年7月号だった。これは20代のアメリカ人女性の間でタトゥーがはやり出した時期と一致しており、今ではミレニアル世代の女性の29.4%がタトゥーを入れているという調査もある。

 もう少しさかのぼると、同誌が黒人モデルの起用に踏み切ったのは今から48年前の1974年(公民権法が成立して10年後)。半世紀後の現代では黒人がモデル界を席巻していることはご承知の通りである。

 そして、同誌がLGBTQモデルを表紙に登場させたのは、ちょうど1年前の8月号。また、今年の1月号では、相次いだヘイトクライムを意識したようにアジア系モデルを起用した。同誌の表紙はアメリカ社会の動きを敏感に反映してきただけに、今回のエマ・コリン起用は本格的な「腋毛解放」の起爆剤となるかもしれない。

 カリフォルニア大学サンフランシスコ校(医学部)のタミー・ロウエン教授は、理由の一つに健康・衛生上の問題もあると指摘する。

「腋は神経過敏な部位。だからこそ毛で保護されている。これを処理するためのクリームや器具が皮膚を傷つけるケースも少なくない。それを嫌う女性も増えている。実は剃毛の習慣はそこまで古くはなく、1920年代に女性たちがノースリーブを着るようになってからだ。それまで見えなかった腋が男たちの好奇心の的になったのだ。

 その後、ウーマンリブ運動やセクハラ追及の流れのなかで、男目線の審美眼ではなく女性自身のナチュラル・ビューティが強調され始めた。そして今、腋毛をそのままにしておくのも剃るのも女性の自由でしょ、という風潮が高まってきた」

 そもそも剃毛が20世紀の新常識だったというなら、21世紀には違う価値観が出ることも大した驚きではないが、現代でも必ずしも「自然のまま」が好まれるわけではない。「腋毛」と逆行しているのが「ピュービック・ヘア(陰毛)」なのだ。

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン
横山剣(右)と岩崎宏美の「昭和歌謡イイネ!」対談
【横山剣「昭和歌謡イイネ!」対談】岩崎宏美が語る『スター誕生!』秘話 毎週500人が参加したオーディション、トレードマークの「おかっぱ」を生んだディレクターの“暴言”
週刊ポスト
お笑いコンビ「ガッポリ建設」の室田稔さん
《ガッポリ建設クズ芸人・小堀敏夫の相方、室田稔がケーブルテレビ局から独立》4月末から「ワハハ本舗」内で自身の会社を起業、前職では20年赤字だった会社を初の黒字に
NEWSポストセブン
”乱闘騒ぎ”に巻き込まれたアイドルグループ「≠ME(ノットイコールミー)」(取材者提供)
《現場に現れた“謎のパーカー集団”》『≠ME』イベントの“暴力沙汰”をファンが目撃「計画的で、手慣れた様子」「抽選箱を地面に叩きつけ…」トラブル一部始終
NEWSポストセブン
母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン
自宅で
中山美穂はなぜ「月9」で大記録を打ち立てることができたのか 最高視聴率25%、オリコン30万枚以上を3回達成した「唯一の女優」
NEWSポストセブン
「オネエキャラ」ならぬ「ユニセックスキャラ」という新境地を切り開いたGENKING.(40)
《「やーよ!」のブレイクから10年》「性転換手術すると出演枠を全部失いますよ」 GENKING.(40)が“身体も戸籍も女性になった現在” と“葛藤した過去”「私、ユニセックスじゃないのに」
NEWSポストセブン
「ガッポリ建設」のトレードマークは工事用ヘルメットにランニング姿
《嘘、借金、遅刻、ギャンブル、事務所解雇》クズ芸人・小堀敏夫を28年間許し続ける相方・室田稔が明かした本心「あんな人でも役に立てた」
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《真美子さんの献身》大谷翔平が「産休2日」で電撃復帰&“パパ初ホームラン”を決めた理由 「MLBの顔」として示した“自覚”
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《ラジオ生出演で今後は?》永野芽郁が不倫報道を「誤解」と説明も「ピュア」「透明感」とは真逆のスキャンダルに、臨床心理士が指摘する「ベッキーのケース」
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
元フジテレビアナ・渡邊渚さん最新インタビュー 激動の日々を乗り越えて「少し落ち着いてきました」、連載エッセイも再開予定で「女性ファンが増えたことが嬉しい」
週刊ポスト