仲間由紀恵の娘役を演じている
脚本作りに脚本家と制作統括とチーフ演出の3人が積極的に関わっていたという。それによって内容が膨らんでいけばいい。ただ、次のコメントを見て、うーんと考えました(いずれも前出のガイド本より)。
「白状しますと、僕たちおじさん3人は料理の知識がまったくないんです」(羽原氏)
「僕にとって料理は『美味いか、不味いか』ではなく、『食べられるか、食べられないか』。そういうレベル」(木村氏)
衝撃です。もちろん制作陣全員が料理に詳しくなくてもいい。ただ、キーを握る3人ともに料理がわからない=生活感がない、ということを対談でそのまま明かしていることに驚きを禁じ得ない。
なるほど、ドラマの中で何ヶ月もの間、シェフの暢子が髪の毛をアップにせず厨房に立ち続けた理由も想像できます。あの髪型に拒絶感を抱かないことと生活感のなさとはダイレクトにつながっているはず。さらに、チーム制のようにして3人で脚本をいじっていくうちに、むしろ責任の所在が曖昧になるなど裏目に出た点もあるのでは。考証が甘かったり矛盾する箇所が散見できるのもそのせいなのか?
さて、そこで関心が向くのは次の朝ドラ『舞いあがれ! 』です。当初、脚本は桑原亮子氏が書くことになっていたが、突然、嶋田うれ葉氏、佃良太氏の両名が脚本陣に加入した、との報道を見ました。3人体制で臨むことになった意味とは何ぞや? どうか、『ちむどんどん』と同じ轍は踏まないで──心からそう願う視聴者はたくさんいるのではないでしょうか。