宮根氏の代打で注目の西山耕平アナ(読売テレビHPより)
Twitterで「#ミヤネ屋頑張れ」がトレンドになるほど、同番組が“旧統一教会ネタ押し”であることは既に多くのメディアが取り上げている。視聴率もうなぎ登りで、8月2日には7%台(ビデオリサーチ調べ・関東地区/世帯)が出て、横並びの番組を圧倒。旧統一教会関連の取材に出ていた実績を買われた西山アナが代打として選ばれたのだろう。
例年、お盆時期のワイドショーは“夏枯れ”と呼ばれ、渋滞や猛暑、大物芸能人のスペシャルインタビューなどで何とか繋いでたものだが、今年は「数字をもっている」旧統一教会ネタのお陰で、夏枯れがなかった。
西山アナの長所は、まず、その表情だ。話していないときでも、常に何か言いたそうな顔をしている。宮根氏ほどではないものの、ワイプで抜かれたときの“顔芸”が優れている。
統一教会に関するやりとりが話題に
15日の放送では、萩生田光一政調会長の発言を巡り、コメンテーターの高岡達之読売テレビ解説委員長に見解を求めた際、高岡氏から西山アナが咎められるような場面があり、ネットがザワついた。「(これまで)追及してこなかったマスコミが政治家の発言一つ一つをとらえて真摯か真摯でないかを言うのはちょっとおこがましい気がします」という高岡氏の意見は正論であり、西山アナは「我々もこれまで伝えていなかったという反省に立って、今、何が行われているのかちゃんと伝えていかなければいけないと思っています」と、すぐに返した。時間があれば、もっと何か言いたいというような、やや悔しそうな表情にも見えた。
これが一部の視聴者に誤解されてしまうのだが、キャリアは大きく異なれど、高岡氏も西山アナも現場で取材をしてきた記者であり、番組を仕切るディレクターでもある(高岡氏はプロデューサーも務めていた)。だからこそのやりとりであり、私には違和感はなかった。
西山アナのプロフィールに戻ると、彼は大阪府大阪市出身。つまりは、地元の放送局に戻ってきたということだ。この“地元”というのも地方局では中途を含め、採用の大きなポイントとなっている。
スタッフのファミリー感が強い『ミヤネ屋』にあって、“職場結婚”もした西山アナは、まさにファミリーの一員。さらに、宮根氏の代打を見事に務めたことは、ネタによっては同番組を上回ったり、肉薄することもある『ゴゴスマ-GO!GO!Smile-』(CBC/TBS系)に対し、『ミヤネ屋』本来の実力を見せつけた。これは同番組の起爆剤になったと言っても過言ではない。全国ネットで実力を披露し、明らかにステップアップしている西山アナの存在は、地方の後輩男性アナウンサーらの大きな目標であり、励みになっていることだろう。宮根氏復帰後の西山アナの立ち回りぶりにも注目だ。
◆山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!』(メ~テレ)、『アップ!』(同)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)などに出演中。CM各賞の審査員も務める。
宮根誠司氏
番組では旧統一教会問題を繰り返し取り上げている(時事通信フォト)