スポーツ紙デスクは、「石井コーチが戻ってきたことで野球の質が変わった。選手ではありませんが、巨人からの最大の戦力補強と言えるでしょう。石井コーチはチームのためならモノを申すことも厭わない。以前よりは丸くなりましたが、そういう性格が災いして選手時代に浮いてしまった時期もあった。コーチになっても、その情熱的な姿勢は変わりません。巨人時代は原(辰徳)監督との確執も報じられましたが、たしかに監督の言うことを全て肯定するイエスマンではないですね」と語る。
他球団のスコアラーは、こう指摘する。
「DeNAは個々の選手の能力が高いが、好き勝手に打っているイメージがあった。機動力がないので1イニングに安打3本でも無得点に終わるケースが少なくなかったですしね。ただ、今年は違う。石井コーチの指導が浸透しているのでしょう。走者を置いた場面では進塁打の意識が高まり、足が速くない選手も走塁への意識が高くなっている。好投手には球数を投げさせて揺さぶってきますしね。嫌らしい打線ですよ。新型コロナウイルスの陽性判定で戦列を離れているオースティンが戻ってくればさらに破壊力が増す。蝦名達夫、楠本泰史、森敬斗と将来が楽しみな若手も多い。今年に限らず来年以降も強いと思いますよ」
1998年以来24年ぶりのリーグ優勝に向け、選手たちのモチベーションは高い。果たして、奇跡を起こせるか──。