前述のアンケート調査で多かった「自宅での脱毛器を使ったセルフケア」だが、実際に行う際はどのような点に注意すべきか。
「家庭用脱毛器には出力が弱めのIPL式の光脱毛器や、レーザー機器が販売されています。実際に家庭用脱毛器でセルフケアをしている男性から話を聞いたところ、少しずつ薄くなっているそうです。家庭用脱毛器は出力が弱いため、効果を感じるまでに回数を重ねないといけないことを理解しておきましょう。
価格は安価なものであれば2〜3万円ほどから購入できるので、脱毛サロンの利用と比較するとリーズナブルです。手が届きやすい価格であることも、40代以降の方の脱毛への興味関心が高まっている理由の一つかもしれません」
中には、セルフケアでは処理が難しいケースもあるという。
「背中などの自分では難しいところを脱毛したい、脱毛範囲が広い、より効果を求めたいといった希望がある人は、施術のできるサロンやクリニックなどに任せることをお勧めします。
また、加齢とともに出てくる陰毛やヒゲの白髪には通常の脱毛機器は反応しません。どうしても白髪を処理したい場合は、サロンやクリニックなどで行われている、1本ずつ熱で処理をする針脱毛(ニードル脱毛)を検討してください。ただし、針脱毛では広範囲の多数の本数を処理となるとかなりの金額がかかってしまう可能性があります」
40代以降が脱毛に興味を持ち始める背景には、介護などの将来的なこと、時間的金銭的余裕からの自分への投資などがあるようだ。ケアの方法には色々とあるので、自身に合ったものを選んでほしい。
【プロフィール】
花房崇明(はなふさ・たかあき)/千里中央花ふさ皮ふ科院長。1979年大阪府生まれ。2004年、大阪大学医学部卒業後、大阪府立急性期・総合医療センター、大阪大学皮膚科などを経て、2012年、大阪大学大学院医学系研究科皮膚科学博士課程修了。米国留学を経て、2014年、JCHO大阪病院皮膚科医長。2015年、東京医科歯科大学皮膚科講師・外来医長/病棟医長。2017年、千里中央花ふさ皮ふ科を開院。2021年、分院となる江坂駅前花ふさ皮ふ科を開院。医学博士(大阪大学大学院)。日本皮膚科学会皮膚科専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、日本抗加齢医学会専門医、難病指定医。
◆取材・文/吉田みく(ライター)