国内

いまだに「旧統一教会の支援なくして当選はない」と考える議員は少なくない

街頭演説に立つ生稲晃子参院議員(左)。参院選の公示前の6月に萩生田光一政調会長(右)とともに、「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の関連施設を訪問した(時事通信フォト)

街頭演説に立つ生稲晃子参院議員(左)。参院選の公示前の6月に萩生田光一政調会長(右)とともに、「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の関連施設を訪問した(時事通信フォト)

 衆議院議員もつとめたことがある自民党会派の帯広市議が、国際勝共連合や旧統一教会との関係を問われ、自分のまわりで霊感商法なんて話は聞いたことがないし、今後も選挙支援のお願いをすると取材に答えた様子が報じられた。全国ニュースとして取り上げられたそれに対し、反発する反応が多かった。だが、同じように考えている地方議員が実は多いのかもしれない。ライターの森鷹久氏が、地方議員の本音についてレポートする。

* * *
「じゃあ、あなたの親族が犯罪者だからといって、あなたまで悪く言われたらどうですか?」

 筆者の取材に、少し興奮気味に応じたのは、西日本在住の現職地方議員・M氏(40代)。実はM議員、騒動が起きるまでは、家庭連合など旧統一教会系関連団体の催しや会合に出席したことを、自身のブログやSNSで堂々発信していた。だが現在は、それらの過去の投稿をすべて消している。冒頭の言葉は、旧統一教会とはどのような関係だったのかという筆者の質問への答えだった。

 これまでM議員は、筆者以外から旧統一教会との関係を指摘されたことはないという。このところ続いている、似たような指摘を受けた国会議員たちの弁明はたいてい「旧統一教会の関連とは知らなかった」「今後は、関係を絶っていきたい」というものだ。しかしM議員は「統一教会との認識はあった」と認めつつ、関係があったというだけでなぜ責められなければならないのかと怒りの口調で続けた。

「そりゃもう、初めて選挙に出たのが十数年前で、その直後くらいから、彼らはいろいろ手伝ってくれましたよ。私は自民党ではない無所属の立場ですから、選挙活動を手伝ってくれる人探しが大変でした。そんなときに知り合ったのが彼らなんです。最初は、子供さん関連のイベントに呼ばれて行ったところ、そこに参加していた人たちのなかに(旧統一教会の)会員さんがいて、それで知り合いました。イベント自体は、市とか自治体がやっていたんじゃなかったか……」(M議員)

 関係の端緒についてはうろ覚えらしいが、旧統一教会メンバーとの「出会い」を語るM氏。その後、選挙期間以外での辻立ちや会合にも、複数の教会メンバーがやってきては、M氏の身の回りの世話を率先してやってくれたと話す。

「選挙に出るというのは本当に大変で……。特に、何の後ろ盾もなく立候補し何度も落選した私にとって、浪人期間に選挙期間以外でも手伝ってくれる人材というのは本当に貴重なんです。もちろん、教会の人という認識はあったが、熱心なボランティアさんだし、ポスター貼りもビラ配りも一生懸命やってくれる」(M議員)

 議員の前職は公務員。旧統一教会がかつて世間を騒がせたことも、いわゆる「霊感商法」についても、報道などで見聞きしたことはあったし、問題意識もあった。しかしM議員に言わせれば、ほとんど「M氏後援会」と化した教会メンバー達の言動からは、カルト性や反社会性を感じ取ることはなかったと断言。そして、冒頭のように、筆者に迫ってきたのである。

関連記事

トピックス

園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「日本ではあまりパートナーは目立たない方がいい」高市早苗総理の夫婦の在り方、夫・山本拓氏は“ステルス旦那”発言 「帰ってきたら掃除をして入浴介助」総理が担う介護の壮絶な状況 
女性セブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(クマの画像はサンプルです/2023年秋田県でクマに襲われ負傷した男性)
《コォーってすごい声を出して頭をかじってくる》住宅地に出没するツキノワグマの恐怖「顔面を集中的に狙う」「1日6人を無差別に襲撃」熊の“おとなしくて怖がり”説はすでに崩壊
NEWSポストセブン
今年の”渋ハロ”はどうなるか──
《禁止だよ!迷惑ハロウィーン》有名ラッパー登場、過激コスプレ…昨年は渋谷で「乱痴気トラブル」も “渋ハロ”で起きていた「規制」と「ゆるみ」
NEWSポストセブン
「原点回帰」しつつある中川安奈・フリーアナ(本人のInstagramより)
《腰を突き出すトレーニング動画も…》中川安奈アナ、原点回帰の“けしからんインスタ投稿”で復活気配、NHK退社後の活躍のカギを握る“ラテン系のオープンなノリ”
NEWSポストセブン
真美子さんが完走した「母としてのシーズン」
《真美子さんの献身》「愛車で大谷翔平を送迎」奥様会でもお酒を断り…愛娘の子育てと夫のサポートを完遂した「母としての配慮」
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)千葉県の工場でアルバイトをしていた
「肌が綺麗で、年齢より若く見える子」ホテルで交際相手の11歳年下ネパール留学生を殺害した浅香真美容疑者(32)は実家住みで夜勤アルバイト「元公務員の父と温厚な母と立派な家」
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《新恋人発覚の安達祐実》沈黙の元夫・井戸田潤、現妻と「19歳娘」で3ショット…卒業式にも参加する“これからの家族の距離感”
NEWSポストセブン
「お前は俺に触ってくれと言っただろう」バレー部の顧問教師から突然呼び出され股間を…“男児の性被害”からなくならない誤解と偏見《深刻化するセカンドレイプ》
「お前は俺に触ってくれと言っただろう」バレー部の顧問教師から突然呼び出され股間を…“男児の性被害”からなくならない誤解と偏見《深刻化するセカンドレイプ》
NEWSポストセブン
大谷と真美子夫人の出勤ルーティンとは
《真美子さんとの出勤ルーティン》大谷翔平が「10万円前後のセレブ向けベビーカー」を押して球場入りする理由【愛娘とともにリラックス】
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」でペールブルーを選ばれた皇后雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《洋装スタイルで魅せた》皇后雅子さま、秋の園遊会でペールブルーのセットアップをお召しに 寒色でもくすみカラーで秋らしさを感じさせるコーデ
NEWSポストセブン