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現役暴力団幹部が語るヤクザ世界の”パワハラ”「昔は殴られることが互いの情を探る手段の1つだった」

(Ph/イメージマート)

暴力団の世界にパワハラはあるのか?(Ph/イメージマート)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、現役の暴力団幹部が語るヤクザの世界の“パワハラ”について。

 * * *
「ヤクザには2通りの人種がいる。1つは好きでヤクザになったやつ。もう1つは稼ぐためにヤクザになったやつだ」  

 そう語る暴力団幹部は、今も現役だが「もうそろそろ辞めたいね」と笑った。彼はヤクザに憧れ、好きでヤクザになった人間だ。親や親戚にヤクザがいたわけではない。周りの環境がそうだったという。

「初めてのシノギは中学生の頃。自販機の下から手を入れて、商品を抜き取った」

「稼ぐためにヤクザになったやつは、とにかく稼げればいい、金になればいいというタイプだ。手っ取り早く稼ぐ手段としてヤクザ稼業に足を突っ込む。どちらのタイプにしろ、待っているのはパワハラありきの世界だがね」

 世間では度々、パワーハラスメントやモラルハラスメントが問題になっている。だが世間一般とヤクザでは、ハラスメントの概念が違うらしい。

「銀行に口座も開けない、クレジットカードも持てないヤクザには人権がないようなものなんでね。人としての権利がないのにハラスメントもないでしょう」と屈託がない。

「ヤクザの世界には”我慢”しかない。“耐えることがそこで生きていく術”だから、怒鳴る、さげすむ、貶める、叩くなんて日常茶飯事だ。
それが延々と続いている世界が稼業の世界だな」(幹部)

「いい歳をして、毎日怒られていたら、それも習慣になってしまう」という幹部だが、習慣になってしまうほど我慢を重ねるのは、ヤクザとはいえ相当辛いことだろう。だがこうも言う。「それも、後々になればいい思い出の1つだ。考えてみると、昔は殴られたり怒鳴られたりすることも、お互いの情を探る1つの手段だったかもしれない」。

 耐えることが生きていく術という稼業の世界にいても尚、彼がそう言える背景には、中学生の時のある出来事が関係していると語る。

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