俳人・夏井いつきさんのエッセイ集『瓢箪から人生』が、発売すぐに重版が決まり、現在3刷、全国書店のベストセラーランキングで1位を獲得している。
・紀伊國屋書店全店「エッセイ 女性作家部門」週間売上第1位(8月2週〜4週)
・三省堂書店全店「俳句部門」週間売上第1位(8月1日〜28日)。
本書には、夏井さんが人生の中で、どんな人に出会い、どう影響されてきたかを綴った45編のエッセイが収録されている。幼い頃の思い出や俳句との出合いから、師匠・黒田杏子さんのこと、『プレバト!!』俳句コーナーの誕生秘話や『プロフェッショナル 仕事の流儀』撮影裏話、そして夏井さんの夢を後押しした父の最期まで、夏井さんが真情を吐露している。8月18、19日には朝日新聞の人気連載「折々のことば」で2日にわたり、一節が紹介もされた。
ブックジャーナリストの内田剛さんは『 瓢箪から人生』が読者の心を打つ理由についてこう語る。
「『プレバト!!』で夏井先生が俳句の添削をしている姿を見ているだけで元気になりますが、この本を読むと、夏井先生の培ってきた人生をそのまま一冊にしたらきっとこうなるんだ、と感激しました。
俳句に導かれた人生の道行きを小気味よいリズムで綴っていて、喜怒哀楽に生老病死と、人の営みのすべてがギュッと凝縮されています。
誰しも生きづらさや喪失、悩みを抱えながら生きているわけですが、『瓢箪から人生』は、それをお仕着せではなく、夏井先生の生き様を通して生きる喜びや伝える楽しさ、学ぶ尊さを存分に伝えているので、大きく頷き膝を打ちながら読みました。霧が晴れた気がするのがこの本の魅力ではないでしょうか」
内田さんは「読みどころしか見当たらない一冊ですが」と前置きした上で、特に感動した2編を挙げる。
「『兄弟子イガラシさんの諫言と励まし』では俳人夏井いつきの凄みを感じたのと、『「うみいづ」の物語』に綴られた、泣くに泣けなかったお父様の死から時を経て嗚咽するシーンに震えました。居ても立ってもいられなくなるほどの心の揺らめき、これを共感というのだと思います。これからも何度も何度も読み返す本になるでしょう。一生モノの素敵な一冊との出合いに感謝しています」
※女性セブン2022年9月22日号