鞄にパンがいっぱい
1月放送の『紙とさまぁ~ず』(テレビ東京系)にゲスト出演した際には、おすすめの差し入れとして、明治の飲むゼリー『即攻元気』を推奨。MCのさまぁ~ずから「これいいわ、気付かなかった~」と絶賛されるほどだった。演劇出演歴も多くキャリア豊富な松は“差し入れの達人”なのだ。
そんな芸能界の差し入れには、いろんな伝説もある。昭和の銀幕スター石原裕次郎さん(享年52)は、スタッフにお年玉を配ったり、石焼き芋の軽トラックを持ち込んだこともあった。気配りの天才と呼ばれる中居正広(50才)は、冠番組に毎回、叙々苑の高級焼き肉弁当を差し入れて、打ち上げでは全スタッフを温泉旅行に招待するなど、盛大に振る舞ったこともあるという。
また、ラーメン店を経営するデビット伊東(56才)は、出演ドラマの現場で出張ラーメン屋台を出したり、元女子サッカー日本代表の丸山桂里奈(39才)は毎回、共演者に駄菓子セットをプレゼントしたりと、個性や特徴も様々である。
中でも、自他共に認める差し入れ達人の勝俣州和(57才)は、テレビ番組で「差し入れは、みんなのために出しているのか、己の人気のために出しているのかが一発で分かる」と解説。「今売れっ子なことだけは知るけど、よく知らない俳優とのロケ」には、老舗惣菜店のコロッケを選ぶことを明かし、「コロッケからは、おふくろの味についてや、醤油派かソース派など、雑談が膨らむ」と、会話のきっかけに使えると話していた。
差し入れ文化には、「座長や主演よりも高価なもの」や「フードロスのひどいもの」はNGで、単においしいだけでは済まない難しい面もある。ただ、勝俣の持論通りに、その人となりが現れる貴重なコミュニケーションツールであることは、間違いなさそうだ。