死の2日前、自らが所有する馬がレースに勝ったことを知った女王は歓喜した。女王の競走馬のアドバイザーを務めるジョン・ウォーレン氏は英紙にこう明かした。
「火曜日(6日)の夜、女王は本当に調子がよくて、勝ち馬が出たことを喜び、リズ・トラス新首相が訪ねてきたことについて話してくれました」
親しい人たちが驚くほど突然の死だったが、徴候はあった。英王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんが語る。
「9月6日にトラス首相の任命式をしたのがエリザベス女王の最後の公務ですが、バルモラル城で首相と握手した女王の手の甲には青黒い点滴の痕がありました。体がつらい状態でも点滴で命をつなぎ、公務を全うしていたのです」
体調の悪化は医師団も把握していたようだ。
「亡くなる1週間ほど前から、チャールズ国王が毎日バルモラル城に通っていたそうです。きっと女王の体は日に日に弱っていたのでしょう。英王室によると、最期は老衰で安らかに、苦しまず眠るようだったそうです」(多賀さん)
女王は最愛の娘・アン王女とチャールズ国王に看取られた。子供たちに見守られて、穏やかに旅立つことは理想の「人生の終い方」だろう。100才近い高齢ゆえ、女王自身も少なからず「死」を意識していたかもしれない。しかし彼女の目は常に「前」を向いていた。
「晩年、『お元気でしたか?』と聞かれると、女王は『ええ、まだ生きているわよ』(Still alive)とユーモアたっぷりに答え、周囲がどっと笑ったそうです。あえて『まだ生きている』と口にすることで、自分の励みにもしていたのでしょう。いつだって生きることに前向きでした」(多賀さん)
※女性セブン2022年10月13日号