音楽評論家・田家秀樹氏『瑠璃色の地球』
紅白には20回以上出演
「『瑠璃色の地球』は、今もファン投票で必ず1位か2位に挙がる曲です。長く支持されている曲なのに、実は一度もシングルカットされたことがありません。
この曲は、聖子さんが妊娠した時に、作詞家・松本隆が、『母親になるなら、こういう歌を歌える歌手になってほしい』と、“母性”をテーマに作ったメッセージ・ソング。聖子さんにとって転機となった1曲です。アイドルはどこまで大人になれるのか。そんな時代のスポットライトを一身に浴び続けてきた聖子さんでなければ歌えない、特別な歌なのです」
【プロフィール】
田家秀樹(たけ・ひでき)/1946年生まれ、千葉県出身。雑誌編集や放送作家を経て、音楽評論家、作家として幅広く活躍。近著に『風街とデラシネ 作詞家・松本隆の50年』(KADOKAWA)がある。
編曲家・船山基紀氏『SWEET MEMORIES』
「聖子さんのバラードって心に沁みるんですよ。初めて『SWEET MEMORIES』をCMで聞いた時、『誰だろう?』とすごく驚きました。(当時)21歳で、あんなに歌詞を伝えられる人はいなかった。母音の響かせ方に天性のモノがあるから、聞き手の胸を打つ。
同じヤマハ出身で懇意にしていた大村雅朗君の作曲なので、個人的な思い入れもあります。基本のメロディーがキャッチーで、アレンジはナチュラル。聖子さんの歌唱力が加わって、さらに化けた。福岡で育って単身で上京してきた2人の感性がぶつかり合った素晴らしい曲です」
【プロフィール】
船山基紀(ふなやま・もとき)/1951年生まれ、東京都出身。歴代編曲家シングル総売上2位。代表作『勝手にしやがれ』など。10月10日大阪、10月21日横浜で開催の松本伊代40周年記念公演をプロデュース。
写真/女性セブン
※週刊ポスト2022年10月7・14日号