国際未病ケア医学研究センター長の一石英一郎医師

国際未病ケア医学研究センター長の一石英一郎医師

「体調も気分も最悪です」

 子供から高齢者まで用いられるのが「解熱鎮痛薬」。しかし、永井医師は非ステロイド性抗炎症薬を「漫然と飲む」ことに対して警鐘を鳴らす。

「鎮痛薬としてよく効く薬なので一時的に飲むならいいのですが、漫然と服用し続けると腎機能障害、腎不全の副作用があります。私の患者さんにも、腰痛持ちで長期間服用していて腎不全になった方がいました。処方を希望する人もいますが、私から別の鎮痛薬を勧めることもある」

 非ステロイド性抗炎症薬については、別の副作用のリスクを挙げる医師もいる。国際未病ケア医学研究センター長の一石英一郎医師が言う。

「私の専門である胃腸系の消化器内科の立場から言うと、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が原因で発症する胃潰瘍(NSAIDs潰瘍)の存在があります。同薬は体内で炎症を起こす物質の生成を抑えて痛みや熱を緩和する仕組みですが、同時に胃の粘膜を保護する粘液も抑えてしまい、胃酸により胃の粘膜が傷つきやすくなるのです」

 非ステロイド性抗炎症薬の処方時は、「副作用」を抑える胃薬を予防的に併用する慣例がある。神奈川歯科大学附属病院の眞鍋雄太医師(認知症・高齢者総合内科教授)は、これを問題視する。

「非ステロイド性抗炎症薬の副作用を抑えるために、消化性潰瘍などの治療薬であるテプレノンやレバミピドが一緒に処方されることがあります。しかし、非ステロイド性抗炎症薬の副作用に対するエビデンスレベルは低く、効果は不十分です。私が併用するなら、胃粘膜を保護する薬ではなく、胃酸の分泌を抑制するプロトンポンプ阻害薬を選びます。内科ではよく知られた話ですが、整形外科などでは知らない医師もいるので注意が必要です」

 同様に、予防的に処方される薬に疑問を呈するのがナビタスクリニック川崎の谷本哲也医師だ。

「痛風予防のために用いられる高尿酸血症治療薬のアロプリノールやフェブキソスタットは飲みたくない薬です。体質的に尿酸値が上がり痛風になった人は飲むべきですが、そうでなければまず飲酒を控えたり減量して尿酸値を下げるべき。尿酸値を高める原因の肥満やアルコール摂取、運動不足などの元から絶たないと、“いつまでも飲み続けなければならない薬”になってしまいます」

 また、薬の効果には個人差が大きく、人によっては副作用が強く出るケースもある。前出・眞鍋医師が「絶対に飲みたくない」と言うのはアレルギー用薬として種類が多い抗ヒスタミン薬。

「私は個人的に抗ヒスタミン薬に弱く、どの種類を飲んでも強い眠気に襲われてだるくなるため、服用しないようにしています。花粉症の症状がひどい時期は、嫌々ながら短期間服用しますが、その間は体調的にも気分的にも最悪です」

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