国内

マルチ商法関係者の勧誘も激しかったハロウィン 成功率高まる「ボーナスタイム」

制限なしハロウィンで普段より開放的に(イメージ、Sipa USA/時事通信フォト)

制限なしハロウィンで普段より開放的に(イメージ、Sipa USA/時事通信フォト)

 昨年、ある喫茶チェーンで「ネットワークビジネス関連の方へ 入店はお控え頂きますようお願いします」という貼り紙が出され、SNSで話題になった。少し前から、このような貼り紙をする店舗は増えており、SNSでコミュニケーションは完結できると言われるようになった世の中でも、やはりリアルでの勧誘がネットワークビジネス、マルチ商法、宗教などでは重要な位置づけだ。ライターの森鷹久氏が、3年ぶりに行動制限がないハロウィンを迎えて、リアルで路上勧誘に勤しむ人たちの様子をレポートする。

 * * *
 東京・渋谷や大阪・道頓堀など、日本各地の繁華街に何万、何十万人の若者が殺到した、実に3年ぶりの「行動制限」のないハロウィン。その楽しげで、はちゃめちゃな様子はテレビやSNSにユーザーがアップした動画でも確認でき、若者達がコロナ禍で失った青春の時間を少しでも取り戻そうとしているかのようにも見えた。

 一方、このハロウィンを窃かに心待ちにし、あの喧噪の中で淡々と「ターゲット」に狙いを定めていた人々がいた。

「あそこにいる男性もそうですよ。さっき通ったコスプレ姿のカップルもおそらくそう。僕も現役時代、ハロウィンの時はかなり頑張ってましたからね」

 こう話すのは、一部メディア等でマルチ商法を行っているのではないかと報道された、ある集団「X」に昨年まで所属していたという畑山裕樹さん(仮名・20代)。Xに所属し、繁華街やウェブ上のSNSなどありとあらゆるところで人を勧誘。勧誘した人が「X」に所属すれば、幾ばくかの「バック(※見返りの報奨金)」が畑山さんに支払われる仕組みで、勧誘した人に自らが「X」の関係者から購入した雑貨や化粧品などを転売することでも、わずかながらの利益を得ていた。しかし「X」関連の商売で生活するだけの金を得られることはなく、短期の派遣バイトなどで食いつなぐ生活を何年も送ってきた。

「人を勧誘さえすれば、組織内での立場も上がるしお金も儲かるので、とにかく声をかけまくる。ハロウィンはクリスマスやバレンタインなどと違って、不特定多数、老若男女が待ちにあふれかえり、理由無く、ノリで声をかけても不審がられない。連絡先を交換しまくって、SNSやメールを使って仕事の悩みはないか、裕福になりたくないかと誘う」(畑山さん)

 普段であれば、100人に声をかけて連絡先交換にまで至るのは1人か2人。だが、ハロウィン期間中は、その数倍以上、時には10人近くと連絡先を交換できる場合もあるという。

「もちろん路上でも声をかけますが、大衆居酒屋や立ち飲みバーなど、若い人が集まりそうな所を狙います。5~6年前のハロウィン当日など、渋谷のあるスタンドバーには、複数のマルチ関係者がひしめき合っていて、入ってくる客をみんながじっと品定めしていたほど。マルチ関係者にとって、ハロウィンはボーナスタイムのようなものでした」(畑山さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

「高市外交」の舞台裏での仕掛けを紐解く(時事通信フォト)
《台湾代表との会談写真をSNSにアップ》高市早苗首相が仕掛けた中国・習近平主席のメンツを潰す“奇襲攻撃”の裏側 「台湾有事を看過するつもりはない」の姿勢を示す
週刊ポスト
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
3年間に合計約818万円のガソリン代を支出していた平口洋・法務大臣(写真/共同通信社)
高市内閣の法務大臣・平口洋氏が政治資金から3年間で“地球34周分のガソリン代”支出、平口事務所は「適正に処理しています」
週刊ポスト
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
《交際説のモデル・Nikiと歩く“地元の金髪センパイ”の正体》山本由伸「31億円豪邸」購入のサポートも…“470億円契約の男”を管理する「幼馴染マネージャー」とは
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
NEWSポストセブン