冬が近づき、寒さがつのるが“冷え”は腸の健康の大敵。体の中から対策したい。便秘外来の専門医で松生クリニック院長の松生恒夫さんが解説する。
「飲食物を選ぶ際は、腸内環境を乱す悪玉菌を抑制する抗酸化作用のあるものを選び、常温以上の状態で口にするように心がけること。
おすすめは、レンジかフライパンでエクストラバージンオリーブオイルを入れて加熱した『ホットバナナ』。バナナはポリフェノールが豊富で抗酸化作用があるうえ、腸内細菌のエサになるオリゴ糖や食物繊維も多く含み、腸内環境の改善や便秘解消が見込める。エクストラバージンオリーブオイルは、温かいものと一緒に摂ると保温効果があります。体温が低下している朝に食べると、より効果的です」(松生さん)
ホットバナナの作り方は簡単だ。バナナを600Wの電子レンジで30〜40秒温めるだけ。フライパンで1分程度加熱してもいい。
真野さんも食品を温めて食べることを推奨する。
「腸活目的でヨーグルトを食べる場合は、大豆由来の植物性のものを選び、食べる分だけお皿に盛って、電子レンジで10〜20秒ほど軽く温めて常温にしましょう。朝起きてすぐに、冷蔵庫から出したヨーグルトを食べると腸の冷えの原因になります」
夜は腸を腹巻きや湯たんぽで温めたり、湯船にしっかりつかったりするのも有効だ。
「善玉菌が活動しやすい体温は36.5〜37℃だといわれているので、意識的に温めましょう。温めた手で『の』の字にゆっくり腸のあたりをさすると、冷えが軽減したり、腸のぜん動運動が活発になります。忙しくてマッサージの時間がない人は、腹式呼吸を丁寧に行ってみてください。1日1分でもいいので、意識して行うと腸が動いて温まります」(真野さん)
寒くて腸が停滞しやすい季節こそ、正しい知識で腸活を。
※女性セブン2022年11月24日号