半身麻痺の人が受ける「圧力」
とくに、お年寄りや小さな子供、身体の不自由な人にとってエスカレーター上での歩行、追い越しは大きな脅威となる。障がい者支援団体「キャベツの会」(埼玉県新座市)事務局の木村俊彦氏が話す。
「関東では右側空けが一般的ですが、左半身が麻痺している人はベルトにつかまるため右側に立たざるを得ません。しかし、先を急ぐ人から無言の圧力をかけられたり、時には『邪魔だ、どけ!』と言われることもある。結局、不安定な状態で左側に立つことになり、バランスを崩し転倒、ケガをするケースが少なくないのです」
他者への配慮から定着した「片側空け」のマナーが、トラブルや事故の原因となるようでは本末転倒ではないか。
さまざまな乗り方をする人がいる(写真は渋谷)