スポーツ

森保一監督の凄さをレジェンド・釜本邦茂氏、元同僚・柳本啓成氏が語る 「大迫落選」への理解も

元同僚などが語る森保一監督の素顔とは(時事通信フォト)

レジェンドや元同僚が語る森保一監督の素顔とは(時事通信フォト)

「ドーハの悲劇」を体験した男が、“ドーハの歓喜”を起こした。サッカーW杯日本代表を指揮する森保一監督(54)を巡ってはその指導力に大会開催前は賛否が渦巻いたが、彼の素顔をよく知るプロたちは激動のドイツ戦を迎える前から「森保流サッカー」を高く評価していた。

「森保さんは現役時代から統率力や勝利に懸ける思いは飛び抜けていた。日本代表戦でも選手の個性を活かす、彼らしい采配が目立ちますし、チームを作り上げていく腕はさすがですね。森保ジャパンにはさらなる可能性を感じます」

 そう絶賛するのは、森保氏のサンフレッチェ広島時代の同僚で4歳年下の柳本啓成氏だ。

 森保氏は2018年に日本人では初となるA代表と五輪代表の監督を兼任して以来、サッカー男子日本代表の指揮を執り続けている。11月23日に行なわれたW杯初戦では強豪・ドイツを撃破し、森保氏への注目度は高まるばかりだ。

 その一方で2021年9月からのアジア最終予選で苦戦を強いられた時など、その手腕についてこれまで賛否が分かれてきたが、選手からの信頼は厚く、主将でDFの吉田麻也(34)は苦しい予選の最中にこう述べている。

「本気で選手のことを考えてくれる数少ない監督。神輿を担ぎたい」

 柳本氏もこう言う。

「森保さんは現役時代から真面目で人望が厚く、仲間思いの熱血漢。監督として策士ではなく、選手と対話を重ねて最適解を見出すタイプなんです」

 W杯本番のメンバー選考では、3大会連続3回目の代表入りが有力視されたヴィッセル神戸のFW大迫勇也(32)が落選した際も批判の声が上がった。しかし、森保氏を古くから知るプロたちの目からすると、そこにも彼なりのサッカー論が表われているという。

 1968年メキシコ五輪得点王のレジェンド・釜本邦茂氏はこう語る。

「あれは良い判断だったと思います。故障を抱えた大迫に全盛期のプレーを期待するのは酷というものです。かつて日本代表を指揮した岡田武史監督が2010年の南アフリカ大会開幕直前に本田圭佑を1トップ起用したような大胆な戦術は採用しない非常に手堅いタイプですが、それが彼のサッカーなのでしょう」

 柳本氏も森保氏の考えをこう分析する。

「メンバーの選び方も確かに独特です。しかし、それは次世代も考えたうえでのことだと思います。様々な戦術や采配、そのすべてが“森保流”です」

 一見、ファンには分かりにくく映る“森保流”。だが、その手腕は間違いなかったのだ。

※週刊ポスト2022年12月9日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト