ライフ

携帯電話の普及でヤクザが「厄介になったこと」 組長からの”金要求”、動画流出で処分も

1996年、携帯電話とPHSが急速に普及した(イメージ、時事通信フォト)

1996年、携帯電話とPHSが急速に普及した(イメージ、時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、携帯電話が普及したことで厄介ごとが増えた件について。

 * * *
 ヤクザにとって便利になったが、同時に不便になったものがある。”携帯電話”だ。ガラケーからスマホに変わり、通信エリアは拡大、今や、いつでもどこでもつながるが「かえって厄介になった」と暴力団幹部A氏は真顔で話す。

 たとえば組長の金策だ。以前は組事務所に連絡をした際や、組長と会った時に話があるのが普通だったと聞くが、今は四六時中、携帯電話で連絡が取れるため、必要になればいつでもダイレクトに電話がかかってくるという。

 ある木曜日の昼時、親分から直接電話がかかってきたことがあったという。

「おい、1000万必要なんだが」
「いつまでですか?」
「再来月や」
「わかりました。再来月ですね。そこまで時間があるんですよね」
「なんとかなるか」
「はい、なんとかします」
「おう、頑張れや」

 電話はそれで終わった。再来月までなら問題ないとA氏は考えた。

 ところが翌々日の日曜日、親分からまた電話がかかってきた。

「おまえどうや。できたか?」
 親分の声は明るかった。
「えっ、何がですか?」
「何がって、ゼニや」
「はっ?再来月までには、なんとか頑張って作ります」
「何言うとんじゃ。再来月まで貸してくれって話しや。今すぐや」
「今日、日曜日でっせ」
「なんとかせぇ」

 電話はそこで切れた。親分の催促に曜日も時間も関係ない。極道の世界は組長の言葉が絶対だ。できないとは言えず、いかにできるようにするかを考えるのみである。

「命令系統が一方向だから、たとえ抗争中だろうが、できませんという答えはない。『あいつ、やってしまわないかんな』と言われたら、どうやってやるかを考えるだけだ」(A氏)

関連キーワード

関連記事

トピックス

和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
犯人の顔はなぜ危険人物に見えるのか(写真提供/イメージマート)
元刑事が語る“被疑者の顔” 「殺人事件を起こした犯人は”独特の目“をしているからすぐにわかる」その顔つきが変わる瞬間
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン