ランチ感覚で気軽に参加できる
連日「満員御礼」で賑わう既婚者限定街コンからみてとれるように、婚姻外の異性と関係を結ぶことの心理的ハードルは年々下がっているようだ。
20年にわたり男女間の不倫を取材してきたライターの亀山早苗氏は、「コロナ以降、不倫関係を求める妻は増えています」と指摘する。
「コロナ以降のリモートワークにより、夫婦間の関係がかえって悪化したというケースは多い。毎日長時間同じ空間にいることで、セックスレスなどの問題が顕在化するという事情もあります。
家庭における男性の立場も昔とは大きく異なります。景気低迷とともに男性の社会的な自信が失われるなかで、『家を守る』という女性側に押しつけられてきた価値観が徐々にではありますが薄れてきている」
ここ2~3年で急激にシェアを伸ばしたのがマッチングアプリだ。既婚者限定のアプリもあるにはあるが、前出のナオミさんは「既婚者同士であれば、街コンのほうが安全で“コスパ”がいい」という。
「アプリは不特定多数からメッセージが来るから携帯の画面でパートナーにバレやすいし、結局1対1で会ってみないと相手の人となりもわかりません。
街コンならメールアドレスさえ用意すれば、当日予約でも参加できます。一度に15人ほどの男性と出会えますし、話しながら『この人なら秘密を共有できる』という信頼関係を確認しやすい」(ナオミさん)
亀山氏は、「街コンはランチ感覚で参加できるのでハードルも低く、今後さらに盛り上がることは十分に考えられる」と言う。
人妻は夫が知らぬ間に、今日も「同志」たちと街に出ている。
※週刊ポスト2022年12月9日号