この日、「来たのはこれで7度目かな」と話すナオミさん(仮名・42)が「既婚者限定街コン」の魅力を語る。
「お互い『家族を持ちながら』という境遇が同じだから、なんでも話せちゃう。旦那には親戚付き合いも含めていろんな気を遣わないといけないけど、ここは逆に『秘密のホンネ』を包み隠さず話すのがマナーです」
会場全体で「パートナーには内緒」の“共犯関係”が成立するという。
「私がよく参加するのは平日のランチ会。家には17時半までに帰ればいいから、いい人がいたときの“アフター”も余裕を持って行ける。私は慎重派だからその日はだいたいお茶して終わりだけど、後日連絡が来たら、2人でホテルに行ったりします。そういう関係になったのは6回中2人ですね(笑)」(ナオミさん)
「妻と別れて君と再婚したい」はルール違反
既婚者限定街コンを主催するある運営会社は「当サークルは不倫や既婚者同士の恋愛を推奨していません」としているが、前出のナオミさんのように、その場の出会いで関係に発展する例は無数にある。
川口市に住む専業主婦のアヤさん(仮名・39)は、2年ほど前から「不倫街コン」に参加するようになった。
「20歳で同級生と結婚して以降、専業主婦で出会いもなくて。子供に手がかからなくなり、コロナで夫と家にずっと2人きりという環境が嫌になった時に、ママ友に『これ、興味ある?』と紹介してもらったんです。最初は彼女に連れられて恐る恐る行ったのですが、『色んな男の人と楽しんじゃっていいんだ』と感動した。その後、合計20回は参加したかな」
外出する日は「ママ友との飲み会に」と告げ、在宅勤務が多くなった夫に家事を任せる。
週に1~2回出席するというレイナさん(仮名・45)の話。
「旦那とは関係は悪くないけど、友達っていう感じで恋愛感情は持てない。やっぱり恋愛したほうが楽しいですよね。顔を見て話せる街コンが一番いいのですが、参加する男性のなかには出会った女性を片っ端から口説いたり、『妻と別れて君と再婚したい』なんて言い出す人もいます。それはルール違反ですよ。
私たちはコンパ後、女性同士の『反省会』でそういう人を報告し合ったり、逆に『いい人』を共有したりします。男性の好みが違う仲間だと、アシストし合ったりできて都合がいい。平和なサークルを守り続けるためにも、情報交換は必須です」