当時、霊感商法はいわゆる消費者問題という認識だったという。
「消費者問題はカネにならないので弁護士が避ける傾向はありました。1件当たりの金額が小さく、件数が多い。手間がかかるのにお金にならないと敬遠されるのは今も同様でしょう」(同前)
山口弁護士が振り返る。
「霊感商法の被害者は購入時点では納得して買っている。普通なら弁護士も『説明に納得して契約書にサインしたんですよね。そうであれば法律上の問題はない』と判断するでしょう。弁護士が問題にしても、契約上の形式が整っているから裁判所が納得しない。だから統一教会の裁判において一番のハードルは、統一教会は被害者にまず納得させてモノを売るという、その教団の組織的な手口の問題性を裁判官に理解してもらうことでした」
※週刊ポスト2022年12月16日号