国際情報

中国への降伏文書に署名し賄賂を受け取った台湾軍大佐 他の軍幹部の関与も示唆

スパイは台湾軍大佐だけではない可能性も?

中国のスパイは台湾軍大佐だけではない可能性も?

 中国大陸からわずか10キロにある台湾の金門島駐留の台湾軍大佐が「中国に忠誠を誓い、中国が攻めてきた場合には降伏する」との誓約書を交わし、中国のスパイになっていた事実を暴かれ、逮捕・起訴さていことが明らかになった。台湾の中央通信社が報じた。

 逮捕されたのは金門駐屯地師団と第8軍団作戦師団で複数の要職を務めた蒋大佐(49)。2019年末から今年上半期に逮捕されるまで合計56万台湾ドル(約250万円)を受け取り、台湾軍の機密情報を漏らしていた。すでに役職は剥奪されているという。

 元大佐は「海峡両岸の平和的統一を支持し、祖国(中国)に忠誠を誓う。海峡両岸が戦争になった場合、私は職務上、祖国に尽くし、輝かしい平和統一を完成させます」などと書かれた誓約書に署名しており、この誓約書を持った写真も見つかっている。

 元大佐は今年9月、賄賂を受け取った罪で起訴され、最高で12年の実刑判決が下される可能性がある。また、中国に機密情報を渡したとして取り調べを受け、国家安全保障法違反でさらに量刑が加算されるとみられる。

 元大佐は取り調べで、「このような誓約書に署名した軍将校は自分だけではない」と供述しており、捜査当局は他の軍幹部の関与も捜査している。

 金門島は中国福建省から10キロ足らず、台湾本土からは180キロ以上離れた離島であることから軍本部の監視の目が届きにくい。ここ数カ月、中国の無人偵察機が頻繁に飛行しており、軍事専門家からは金門島が将来、中国による侵略の最初の標的になる可能性があると指摘もある。

 ロイター通信によると、過去10年間で、金門島駐留軍の幹部を含む、少なくとも21人の大尉以上の台湾軍の現役または引退した将校が、中国のためにスパイ活動を行ったとして有罪判決を受けている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

”ネグレクト疑い”で逮捕された若い夫婦の裏になにが──
《2児ママと“首タトゥーの男”が育児放棄疑い》「こんなにタトゥーなんてなかった」キャバ嬢時代の元同僚が明かす北島エリカ容疑者の“意外な人物像”「男の影響なのかな…」
NEWSポストセブン
クマ対策には様々な制約も(時事通信フォト)
《クマ対策に出動しても「撃てない」自衛隊》唯一の可能性は凶暴化&大量出没した際の“超法規的措置”としての防御出動 「警察官がライフルで駆除」も始動へ
週刊ポスト
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下主催の「茶会」に愛子さまと佳子さまも出席された(2025年11月4日、時事通信フォト)
《同系色で再び“仲良し”コーデ》愛子さまはピンクで優しい印象に 佳子さまはコーラルオレンジで華やかさを演出 
NEWSポストセブン
「高市外交」の舞台裏での仕掛けを紐解く(時事通信フォト)
《台湾代表との会談写真をSNSにアップ》高市早苗首相が仕掛けた中国・習近平主席のメンツを潰す“奇襲攻撃”の裏側 「台湾有事を看過するつもりはない」の姿勢を示す
週刊ポスト
クマ捕獲用の箱わなを扱う自衛隊員の様子(陸上自衛隊秋田駐屯地提供)
クマ対策で出動も「発砲できない」自衛隊 法的制約のほか「訓練していない」「装備がない」という実情 遭遇したら「クマ撃退スプレーか伏せてかわすくらい」
週刊ポスト
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
NEWSポストセブン