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奥深い「和牛」の世界 銘柄は320以上、血統は全てデータ管理、妊娠はほぼ人工授精

鹿児島県「鹿児島黒牛」

鹿児島県「鹿児島黒牛」

 私たちの食卓に欠かせない牛肉。しかし、和牛がどんな牛なのか? そしてどうやって育てられれているかは知らない人がも多いのではないでしょうか。公益社団法人「全国和牛登録協会」鹿児島県支部副支部長の坂元信一さんに、和牛についてお話を伺いました。

名前に隠された雄と雌の見分け方

 子牛登記にはその牛の名前も記されるが、和牛の名前にはあるルールがある。

「雄ならば漢字、雌ならばひらがなで名前をつける決まりがあり、名前を見れば雄か雌かすぐにわかりますよ」(坂元さん。以下同)

和牛の銘柄はなんと320以上!

 和牛のなかでも特に高級とされる銘柄(ブランド)牛は全国で320種類以上。その中で、「鹿児島黒牛」「くまもとあか牛」「神戸ビーフ」「特産松阪牛」「米沢牛」「但馬牛」といった、生産地と品質が「地理的表示法」の基準を満たした和牛は10品ある(2021年10月時点)。

「くまもとあか牛」

熊本県「くまもとあか牛」

牛の血統はすべてデータで管理されている

 品質や流通の管理、より優れた牛の生産のためなど、人間同様に和牛にも出生届を出す義務がある。

「和牛登録事業は1920年から各県で始まり、現在は牛トレーサビリティ法に基づきすべての子牛の出生届が義務づけられています。子牛登記という戸籍が作られ、生涯変わることのない鼻紋を採取し、10桁の個体識別番号がつくのです。この番号は商品パッケージのラベルなどにも表示されるため、インターネットで検索すれば誰でも生まれた日や育った場所などがすぐにわかります」

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

銘柄牛はどう決まる?

 銘柄牛にはそれぞれ推進する団体が決めた定義があり、品種や種別、枝肉の格付け、飼育方法などで選別される。

「鹿児島黒牛の場合は、黒毛和種(未経産雌または去勢)で、鹿児島県における飼養期間が最長かつ鹿児島県が最終飼養地であることが条件となります」。

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