最初に旅先から持ち帰ったものは、画家ジョアン・ミロが少年時代を過ごしたスペイン・モンロッチの農園に落ちていたエンドウ豆のさやだったという
長く旅を続けてきて、行きたいところにはほとんど行ったという伊集院さんに、行き残した場所はあるのだろうか。
「世界一きれいな青が見られるというので氷河が崩れるところに行きたかったけど、今は地球温暖化の象徴になってしまった。だから行かなくてよかったのかもしれないね」
【プロフィール】
伊集院静(いじゅういん・しずか)/1950年山口県防府市生まれ。立教大学文学部卒業。「皐月」で作家デビュー。その後『乳房』で吉川英治文学新人賞、『受け月』で直木賞、『機関車先生』で柴田錬三郎賞、『ごろごろ』で吉川英治文学賞、『ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石』で司馬遼太郎賞受賞。2016年紫綬褒章受章。2021年野間出版文化賞受賞。『美の旅人』『夢のゴルフコースへ』『旅だから出逢えた言葉』シリーズ、『なぎさホテル』、『大人の流儀』シリーズ、『大人への手順』『ミチクサ先生』など著作多数。
『旅行鞄のガラクタ』(小学館刊)税込1870円/置き物から押し花まで、旅先から持ち帰った34の土産物にまつわる最新エッセイ集
■展示「旅行鞄のガラクタ展」/小学館ビル1階にて2023年1月31日(火)まで公開(9時30分~17時30分まで。入場料無料。土日祝日、12月29日~2023年1月4日は閉館)
取材・文/佐久間文子(文芸ジャーナリスト) 撮影/太田真三