国際情報

北朝鮮で金正恩総書記への警備態勢強化 西側の反撃や反体制派への警戒高まる

全国的に警備の強化に取り組んでいるという

全国的に警備の強化に取り組んでいるという

 北朝鮮が弾道ミサイルの発射実験を繰り返すなか、韓国駐留米軍や韓国軍は対抗措置として爆撃やステルス戦闘機などを出動させている。これを受けた北朝鮮の治安当局が、最高指導者、金正恩・朝鮮労働党総書記の安全を確保するため、全国的に警備の強化に取り組んでいることが明らかになった。

 米軍などが北朝鮮国内にスパイなどを送りこんでくるのを警戒するためで、北朝鮮当局は全国の警官を総動員して不審者の洗い出しに懸命だという。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。

 社会安全省は11月初め、全国の警察に対して、「人員を動員して『第一号人物護衛作戦訓練』を実施せよ」との命令を各省庁に指示した。「第一号人物」とは、北朝鮮では通常、金氏のことを指す。

 具体的な指示の内容は「鉄道や幹線道路を巡回し、危険要因を評価し、護衛プロジェクトのセキュリティプランに反映させなければならない。今後は護衛事業の実施や指揮の過程で暗号化された用語や文書を使用しなければならない」「『最重要な指導者』が地方視察する際には、必ず警護を厳重にしなければならない」などというもの。

 北朝鮮では、人々は許可なく自由に国内を移動し、好きな場所に住むことは禁止されており、同省の命令では「警察は治安部隊、特殊機関、労農紅衛兵と協力して、問題のある人物の捜索と巡回検査を毎日少なくとも1回は行うべきだ」としている。労働農民紅衛兵は準軍事的な民兵組織で、国内最大の民間防衛軍である。

 こうした措置は、北朝鮮が続けるミサイルの試験発射などの西側陣営への挑発に対して米国などからの反撃を懸念していることが背景にあることはもちろん、北朝鮮内部の反体制派への警戒感の高まりの影響もあるようだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
浅香さんの自宅から姿を消した内縁の夫・世志凡太氏
《長女が追悼コメント》「父と過ごした日々を誇りに…」老衰で死去の世志凡太さん(享年91)、同居するスリランカ人が自宅で発見
取締役の辞任を発表したフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビ(共同通信社)
《辞任したフジ女性役員に「不適切経費問題」を直撃》社員からは疑問の声が噴出、フジは「ガバナンスの強化を図ってまいります」と回答
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト