下村博文氏や高市早苗氏などそうそうたる顔ぶれが集まった

パーティーでは下村博文氏や高市早苗氏などそうそうたる顔ぶれ

「お金も世襲される」という法律の穴

 岸氏が今回集めた政治資金については、別の問題も浮上する。政界では引退する議員が家族に地盤を世襲させる際、政治団体も譲って政治資金ごと引き継がせることがよく行なわれてきた。岸氏も長男の信千世氏を後継者に指名していることから、引退した時点で政治団体に残余金があった場合、「政治資金の世襲」につながる可能性があるからだ。

 自民党内には、今回のパーティー開催について「岸さんが身体に無理をしてまで開いたのは、息子の選挙に備えて少しでも資金を残してやろうという親心だろう」(ベテラン議員)との見方がある。上脇氏が続ける。

「岸信夫氏が息子に選挙区を継がせるということであれば、政治資金の譲り方は2つあります。1つは、岸氏の政治団体の代表者を長男に交代するという形で譲る。だが、政治資金はその代表者の政治活動のためにお金を集めたものですから、代表者の交代は、法的な問題こそありませんが、実態として馴染まない。また、親の資産を政治団体を経由して譲渡すれば譲与税はかからないなどの制度的な問題点があることが指摘されています。

 もう1つの譲り方は、岸信夫氏が自分の政治団体を解散し、息子が新たな政治団体を設立するというもの。しかし、政治資金規正法には政治団体を解散した場合に残余金をどうするかの定めがない。

 そのため、このやり方では岸信夫氏の政治団体の残余金、繰越金が表から消え、事実上の裏金になってしまうという問題があります。これはかねてから指摘されてきた法律上の不備にもかかわらず、法改正がなされないまま放置されている。
 
 こうした問題点がある以上、岸信夫氏にはこの日のパーティーで集めたお金を何に使うのか、引退にあたって自身の政治団体をどうたたむのかを説明する責任は当然出てきます」

 岸事務所に資金集めの理由について問うと、「引退を表明した事実はございません」との回答だった。

 岸氏は現職の総理補佐官でもある。今回の政治資金パーティーの目的については、岸田内閣も説明責任が問われるのではないか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
立花孝志容疑者(左)と斎藤元彦・兵庫県知事(写真/共同通信社)
【N党党首・立花孝志容疑者が逮捕】斎藤元彦・兵庫県知事“2馬力選挙”の責任の行方は? PR会社は嫌疑不十分で不起訴 「県議会が追及に動くのは難しい」の見方も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の打ち上げに参加したベッキー
《ザックリ背面ジッパーつきドレス着用》ベッキー、大河ドラマの打ち上げに際立つ服装で参加して関係者と話し込む「充実した日々」
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン