変わってきたトムとの関係性
ただ、売れたら、今度は僕とトムの個性の違いが強くなってきた。お互いの野心が表に出てきたんでしょうね。トムは芝居とかの表現、僕はとにかく音楽やダンスなどのパフォーマンスを追求したいっていうのが根本にあったから。当時、「バブルガム・ブラザーズってお笑いなの? 歌手なの?」と聞かれたとき、「どっちか考える時間があったら、その時間がオレたちと思ってください」って答えていた時期がありました。
バブルガムをやりながら、お互いソロでアルバムを出すようになっていって、バブルガムの活動のときもおそろいの衣装じゃなくて、お互い自由な衣装を着るように。結局、バブルガムは1997年のシングル『白い砂の少女』を最後に活動休止状態になりました。その後、再開と休止を繰り返し、先日、大分の青年会議所のパーティに、サプライズゲストで呼ばれて一緒にやったんです。ウチのマネージャーからトムに声をかけて。会うのは4年ぶり。でも、息はピッタリ。2023年は結成40周年だし、バブルガムでツアーもたぶんやります。待っていてくれている人がいますからね。
ソロではこの12月に、『魂信。〜My Life is in Destiny〜』(ソニー・ミュージックレーベルズ)という2枚組のアルバムを出しました。アルバムのサブタイトルにもなっている『My Life is in Destiny』は、11月に亡くなった作詞家・松本一起先生の遺作です。松本先生とはデビュー当時からお付き合いがありました。去年、突然連絡がきて、「コーンさんに歌ってもらいたい」と7つ詞をいただいて、そのうちの1曲が中西圭三に曲を書いてもらった『My Life is in Destiny』なんです。
今の世の中を表現しているような、人種も国籍も関係なく仲間たちと生きる喜びを歌った広い世界観の曲。難しくて何回も練習したので、ぜひ聴いてもらいたいですね。先生のあとの6つの詞にも必ず曲をつけて、いずれ発表しようと思っています。先生の遺言だと思っているので。
2022年はこうしてアルバムを出してもらったので、来年はショートで全国ツアーをやる予定。一発目は1月11日、新潟のライブバー「Mush(マッシュ)」を皮切りにやりますよ!
(第3回に続く)
取材・文/中野裕子(ジャーナリスト)