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フジテレビ港社長が語る起死回生プラン「“作りたい”人に環境を与えて、あとは軽く野放し」

港さん

港浩一さん

 かつて絶対的な存在だったテレビはいま、その輝きを失ってしまった。インターネットの隆盛などで「テレビ離れ」が指摘されて久しい。2019年にはインターネット広告費がテレビを超え、芸能人の中にもテレビを離れYouTubeなどに活路を見出す人が現れている。テレビが再び、最強のメディアとなる日はくるのだろうか──。

 2022年6月にフジテレビの代表取締役社長に就任したのが、港浩一さん(70才)だ。『オールナイトフジ』『夕やけニャンニャン』『とんねるずのみなさんのおかげです』など、手がけたヒット作は数知れず。木梨憲武のキャラクター「小港さん」のモデルとしてお茶の間でも有名に。視聴率三冠王を2度(1982〜1993年、2004〜2010年)、フジテレビ黄金期に制作現場で辣腕を振るっていた港浩一さんは、再び頂を目指している。港浩一社長に話を聞く。

 * * *
 年末年始にテレビを見て「テレビってちゃんと見ると面白い」って気づいたかた、少なくないんじゃないかな。各局がしのぎを削るお正月特番も、長く続いている番組が豪華なキャストを投入して、目を引く番組作りをすれば、きちんと視聴率としても結果が出るんですよね。他局ですが『とんねるずのスポーツ王は俺だ!!』(テレビ朝日系)や、うちでは『ジャニーズカウントダウン』、『VS魂』が好調でしたね。

 就任以来、次の看板番組を作ろうという号令はかけ続けているんですが、そういう意味で1月からスタートした『ぽかぽか』はフジテレビらしい生放送バラエティーが誕生したと思っています。看板番組にはいろいろな役目があって、若手アナウンサーを活躍させたり、スターを生み出して一緒に育っていくというのも大事なことなんです。それに、この番組では系列局のローカル番組を紹介する役目も果たせればいいなと思っています。サテライトスタジオは見学可能なので、多くのかたに見に来てもらって、お台場の賑わいにもつながればいいですね。

〈2日目にゲストに来たマツコ・デラックスが見学ゾーンの寒風を心配した発言をしたところ、翌日にはストーブを設置。そのスピード感、ノリ、おおらかさには、フジテレビらしさ健在という印象を受けたが、昨今の「テレビ離れ」問題についてはどう捉えているのだろうか〉

 たしかにそういう事実はあります。テレビはこれまで娯楽の王者という立場にありましたけど、インターネットが普及して、限られた時間の中でテレビを見る時間が減っている。ただ、ネガティブなことばかり言っていて、楽しいのかなってちょっと思ったりもするんです。

 たとえば昨年10月期のドラマ『silent』は、TVerやFOD(フジテレビが運営する動画配信サービス)などでの無料見逃し配信が毎話500万超再生という記録破りの数字を成し遂げましたし、FODの有料会員は100万人を超えました。入社3年目の原田和実Dが手がけた『ここにタイトルを入力』など、若手の勢いを感じられる番組も出てきて手応えも感じています。

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