お菓子も糖質オフ(本人のインスタグラムより)
砂糖が及ぼす弊害は、糖化によるものだけではない。内科・女性内科の医師である山本佳奈さんが解説する。
「砂糖を摂取すると、消化管でブドウ糖などに分解、吸収されることで血糖値が上昇します。血糖値が上がるとすい臓からインスリンというホルモンが分泌され、血液中のブドウ糖が肝臓や筋肉に取り込まれて血糖値は元に戻ります。
しかし、糖質の過剰摂取や極端な摂取制限などを続けているとすい臓は疲弊し、インスリンの分泌量が制御できなくなり、必要以上に血糖値を下げてしまうことにつながります。低血糖の状態です。低血糖になると眠気をもよおしたり、頭がぼんやりして記憶力や集中力が低下したりするほか、頭痛や疲労感、冷や汗、動悸なども起こりやすくなります」
砂糖の過剰摂取を続けているとインスリンの働きが次第に低下し、血糖値を下げることができなくなって、今度は逆に高血糖の状態が慢性化する。これが糖尿病(2型)だ。
メンタルとの関連も明らかになっている。2021年、東京都医学総合研究所は、思春期に砂糖を過剰摂取すると、統合失調症などの精神疾患リスクになり得ると発表した。マウス実験では、脳の毛細血管に炎症が起こり、神経細胞の栄養となるグルコース(ブドウ糖)を取り込む力が低下するという結果が出たという。
「低血糖により、アドレナリンが放出されるので、イライラや不安感が増大することがあります。また、大腸がん、脳卒中、記憶不良、大腸炎、脳容積減少、冠動脈心疾患などを引き起こすことと関連があるのではないかと、海外からの報告があります」(山本さん)
中谷は「砂糖断ち生活」の効果を実感し「メンタルも体もバランスを崩すことがなくなった」と話していた。中谷ほど「筋金入り」ではないが、砂糖に気を使っている芸能人は少なくない。