ライフ

『たれぱんだ』疲弊したサラリーマンにも愛された想定外 ライセンスビジネスの可能性を見せる

たれぱんだ(提供写真)

たれぱんだ  画像出典/『サンエックス90周年 みんなの生まれたところの話 うちのコたちの大図鑑 たれぱんだ・リラックマ・すみっコぐらし』(主婦と生活社)(c)2023 SAN-X CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

 たれぱんだ、リラックマなどが人気のサンエックスのオリジナルキャラクター。ストーリー性のあるちょっぴりネガティブなところや、立体のかわいさが愛されている。これまでに生み出された数は、なんと1000を超えているというが、大きな転機となったのが「たれぱんだ」の誕生だ。

「たれぱんだ」からすべては始まった

 1995年、当時新人だったデザイナーの末政ひかるさんが、シール用の一案として考えたパンダのキャラが、のちの「たれぱんだ」となる。

 ボツばかりでヤケ気味になっていたとき、やっと採用されたというキャラクターだった。だが、12種類販売されたシールの中でも、群を抜いて売れたという。

 でもその後、すっかり忘れられていた「たれぱんだ」を末政さんが立体的にデザインし直して再提案し、手描きで仕上げたのがいまの「たれぱんだ」だという。

 すると、老若男女問わず人気が爆発。一種の社会現象にもなったが、これはまったくの想定外だったという。

「それまで文具といえば、購買層は子供や女性が中心でしたが、日本経済が長く低迷する中で、体力的に疲れて心も疲弊したサラリーマンを中心に『“たれたれ”した姿が心にささる』と多くの男性にもグッズを買ってもらえたんです」(広報担当・富田杏奈さん・以下同)

 文具以外にもぬいぐるみや絵本などが発売され、専門店も誕生。企業のCMにも起用されるなど、これまでにない広がりを見せた。

「『たれぱんだ』は、ライセンスビジネスの可能性を見せてくれたキャラクターでもあったんです」

『たれぱんだ』
 さわるとやわらかく、意外としっとりしている。好物は和菓子の「すあま」。すあまを透明のビンに入れておくと、つかまることもある。足は4本あるものの、歩きはせずにもっぱら転がって移動する。体長は5cm〜3mと個体差がある。分裂して増えるという噂も。

取材・文/苗代みほ

※女性セブン2023年2月16日号

関連記事

トピックス

「新証言」から浮かび上がったのは、山下容疑者の”壮絶な殺意”だった
【壮絶な目撃証言】「ナイフでトドメを…」「血だらけの女の子の隣でタバコを吸った」山下市郎容疑者が見せた”執拗な殺意“《浜松市・ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
連続強盗の指示役とみられる今村磨人(左)、藤田聖也(右)両容疑者。移送前、フィリピン・マニラ首都圏のビクタン収容所[フィリピン法務省提供](AFP=時事)
【体にホチキスを刺し、金のありかを吐かせる…】ルフィ事件・小島智信被告の裁判で明かされた「カネを持ち逃げした構成員」への恐怖の拷問
NEWSポストセブン
グラドルデビューした渡部ほのさん
【瀬戸環奈と同じサイズ】新人グラドル・渡部ほのが明かすデビュー秘話「承認欲求が強すぎて皆に見られたい」「超英才教育を受けるも音大3か月で中退」
NEWSポストセブン
2人は互いの楽曲や演技に刺激をもらっている
羽生結弦、Mrs. GREEN APPLE大森元貴との深い共鳴 絶対王者に刺さった“孤独に寄り添う歌詞” 互いに楽曲や演技で刺激を受け合う関係に
女性セブン
無名の新人候補ながら、東京選挙区で当選を果たしたさや氏(写真撮影:小川裕夫)
参政党、躍進の原動力は「日本人ファースト」だけじゃなかった 都知事選の石丸旋風と”無名”から当選果たしたさや氏の共通点
NEWSポストセブン
セ界を独走する藤川阪神だが…
《セの貯金は独占状態》藤川阪神「セ独走」でも“日本一”はまだ楽観できない 江本孟紀氏、藤田平氏、広澤克実氏の大物OBが指摘する不安要素
週刊ポスト
「情報商材ビジネス」のNGフレーズとは…(elutas/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」は“訴えれば勝てる可能性が高い”と思った》 「情報商材ビジネス」のNGフレーズは「絶対成功する」「3日で誰でもできる」
NEWSポストセブン
入団テストを経て巨人と支配下選手契約を結んだ乙坂智
元DeNA・乙坂智“マルチお持ち帰り”報道から4年…巨人入りまでの厳しい“武者修行”、「収入は命に直結する」と目の前の1試合を命がけで戦ったベネズエラ時代
週刊ポスト
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン