東日本大震災発生時、ブルーインパルスは松島基地を離れていた(時事通信フォト、右は東日本大震災で被災した空自松島基地[航空幕僚監部提供])
日本時間7月30日午前8時25分ごろ、ロシアのカムチャツカ半島近辺を震源とする巨大地震があり、太平洋沿岸部に津波警報が発表されている。現在までに各地で津波が観測されており、岩手・久慈港では1.3メートルの津波が観測された。
宮城県東松島市に所在する「航空自衛隊 松島基地」は、本日13時40分から予定されていたブルーインパルスの飛行場上空訓練をキャンセルと発表。松島基地の担当者によると、津波警報の発表に伴って中止となったとのことで、明日以降の上空訓練についても未定だという。
2011年の東日本大震災では、ブルーインパルスが所属する松島基地は津波によって壊滅的な被害を受けた。当時2メートルを超える津波に見舞われた同基地は、28機の戦闘機などが水没。基地機能が一時失われるほどの被害だった。しかしブルーインパルスは九州での展示飛行へ向かうために松島基地を留守にしていたことで難を逃れ、その後“復興の象徴”として幾度となく展示飛行を披露してきた。
今年は7月26日には青森県東北町の合併20周年を祝うため演目を披露したばかりで、8月2日にも富山県氷見市で開催される「第53回ひみまつり」への出演も控えている。
津波警報が発表されたいま、ブルーインパルスは別の基地などへの避難を行っているのだろうか──担当者によると、「現在、基地内の格納庫にて駐機されています」とのことだった。
東日本大震災での被災を受けて、ブルーインパルスの格納庫は、同レベルの津波では浸水などの被害が発生しないよう約4m嵩上げしたうえ、震災前と同じ場所に再建されている。
津波警報は今後1日解除されないという可能性もあるという。“復興の象徴”ブルーインパルスは、震災の教訓を活かして再建された高台の格納庫にて、次なる飛行の時を待っている──。