殺害された二コーリさん(Facebookより)
2024年7月18日、ブラジル・サンパウロ州の湖の底から、バラバラにされた少女の遺体が発見された。シーツとビニールで無造作に巻かれた遺体は石をくくりつけられ、水底に沈んでいた。
「遺体の両腕と両脚は切断された状態で、鋭利な刃物による複数の刺し傷があった。また、背中には“PCC”というブラジルにある南米最大級の麻薬密売・武装組織である『首都第一司令部』の頭文字が刻まれていたこともわかっています」(国際ジャーナリスト)
亡くなったのは、ニコーリ・フェルナンダ・ポジョレさん。まだわずか15歳で、これから希望に満ちた未来が待っているはずだった。
事件の始まりは休暇中
事件の始まりは、彼女が休暇中に祖父の住むオルトランジア市を訪れていたことだった。7月4日、彼女は「ボーイフレンドの家に行ってくる」と祖父に告げて家を出たが、これが家族が見た生前の彼女の最後の姿だった。
現地メディアによると、帰宅予定日になっても戻らないことに不安を募らせた祖父は16日、警察に行方不明届を提出した。
「警察の懸命な捜査により、湖底からニコーリさんの遺体の一部が発見されたのは18日のことです。遺体に刻まれた“PCC”の文字から、警察は当初、組織的な犯行の可能性も視野に入れていましたが、結局これは捜査の目を撹乱させるための偽装工作だったことが後に明らかになりました。
捜査線上にあがってきたのは、ニコーリさんの17歳のボーイフレンドの少年です。警察が少年に連絡を取ると、「1週間前に別れた。彼女の行方は知らない」と、まるで無関係を装ったといいます。しかしその後、ニコーリさんとは別の、少年の交際相手の14歳の少女にも連絡を取ったところ、その日から行方がわからなくなった。そうしたことから、少年らが事件に深く関与していると確信を深めていったようです」(国際ジャーナリスト談)