国内

コロナワクチン副反応として危険視される心臓への影響 「心筋炎」との関係はあるのか

心筋

接種後の心臓障害も後遺症なのか

 ワクチン接種後の体調不良のなかでも多いのが、「全身倦怠感」や「動悸」、「息切れ」などの循環器系の疾患が疑われる症状だ。「ワクチンと心臓障害」にはどんな関係があるのだろうか──。

「デマだなんてひどい……」。こう悔しさをにじませるのは、新型コロナワクチン接種後、原因不明の「息苦しさ」に悩まされている女性Iさん(50才)。昨年6月の3回目接種以降、掃除や洗濯などの家事も、休み休みでなければこなせないほどに生活は一変した。

 1月28日夕方、JR名古屋駅前は騒然としていた。街頭演説に立った元ワクチン担当相の河野太郎氏に、詰めかけた聴衆が「謝罪しろ!」と連呼。河野氏はその声に反応し、「(ワクチン接種に反対する)運動を行っているかたがたのほとんどは、科学的に根拠のない話を繰り返している。デマを通じて接種を妨げるのは、慎んでいただきたい」と声を張り上げ反論したのだ。

 政府は目下、オミクロン株対応の2価ワクチンを用いた「5回目接種」を推し進めている最中だ。しかし、日本は人口100人あたりの接種回数が世界最多なのに、2月に入っても週間の新規感染者数が世界で最も多い状態が続いており、接種の効果に疑問の声も少なからずある。

 さらに、接種によるデメリットである「副反応」も、接種回数が増えるほど発生のリスクは当然上がる。副反応が疑われる症状を訴える人が日を追って増えていることも、ワクチン不信を増す一因になっている。そのワクチン副反応のなかで、最も危険視されているのが「心臓」への影響である。

 1月20日、厚労省内のワクチン副反応に関する部会で、最新の「副反応疑いの死因事例」が公表された。それによれば、死因は「心臓障害」がトップで計705人。2位の「呼吸器、胸郭および縦隔障害」(321人)の2倍以上だ。「心臓障害」のなかでは心筋梗塞や心不全、心筋炎が上位を占めた。注目すべきは、その「心筋炎」である。

 心筋炎とは、心臓の筋肉が炎症を起こして、血液を送り出すポンプ機能が低下し、心不全や不整脈が引き起こされる病気だ。心筋炎になっても無症状の人もいるが、息切れや胸痛が出ることがあるほか、不整脈による動悸、失神、呼吸困難やショック状態、さらに重篤な場合は突然死に至るケースもあるという。

 この心筋炎は厚労省が公式にワクチンの「重大な副反応」と位置づけている上に、各ワクチンメーカーも、添付文書に、《心筋炎、心膜炎があらわれることがある》と記載。接種回数が増えるほど、心筋炎で苦しむ人が増えるのは、国もメーカーも認めていることなのだ。

息苦しさ、動悸、疲労感、息切れ

 冒頭のIさんは接種後の体調不良を、ワクチンの副反応ではないかと疑い、病院をいくつも回って検査を受けたが、いずれも「異常は見つからない。ワクチンとは無関係だ」と片付けられたという。だが、Iさんが最も訴える「息苦しさ」は、心筋炎の症状の典型だ。軽度ではあるが、心筋炎を発症している可能性は否めない。都内に住む女性Kさん(57才)も3回目の接種直後から異変が続いている。

「呼吸が苦しく、自宅の階段を上るだけでも一苦労。寝室の2階に上がるのもままならず、ほぼ1階だけで生活するようになりました」

 疲労感がずっと続き、横になっていても動悸がして、息が上がる。Kさんのケースも、心筋炎などの循環器系の異常が疑われる事例だ。

「病院では不整脈の診断を受けました。それまで健康そのものだったのに、不整脈だなんて……。医師からは、“ワクチン接種と発症のタイミングが重なったのは偶然でしょう”と言われたのですが、納得ができません」(Kさん)

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン