何かと話題を提供している昼の帯番組『ぽかぽか』(フジテレビ系)。フジのこの枠といえば、『笑っていいとも!』が放送されていた枠。“いいとも”との共通点も見られるという。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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1月9日の開始直後から、何度もツイッターのトレンドランキング入りしているほか、ネットメディアが連日ニュース記事を配信。一方で「くだらない」「けしからん」などの批判も目立つなど、昼の帯番組『ぽかぽか』が賛否両面で話題を集めています。
前々番組『バイキングMORE』、前番組『ポップUP!』と比べれば活気があるのは明らかですが、ネット上の声で特筆すべきは、『笑っていいとも!』との比較を挙げる人の多さ。しかもポジティブなコメントが多いのは、国民的番組と言われた『笑っていいとも!』との類似点が多いからでしょう。
下記に『ぽかぽか』と『笑っていいとも!』の共通点を挙げていきます。
まず「平日昼帯番組のお笑い系バラエティである」こと。裏番組の『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)は生活情報がメインで収録パートが大半を占めるなど、生放送の笑いをフィーチャーした『ぽかぽか』や『笑っていいとも!』とは大きく異なります。
次に「一般観客をスタジオに入れた公開生放送」であること。観客の姿がたびたび映るほか、ときどきMCが話を振って番組に参加しているような一体感を醸し出しています。爆笑の盛り上がりとスベったときの静けさは、まさに公開生放送の醍醐味。しかも『ぽかぽか』はスタジオの外からも番組がのぞけるようになっていて、出演者のファンや観光客が集まってにぎわいを感じさせています。
3番目は「深夜帯が主戦場だった芸人をメインに据えた」こと。『ぽかぽか』のMCはハライチと神田愛花さんの3人ですが、立ち位置がセンターであるほか、その芸風が番組のカラーとなるなど、事実上のメインは岩井勇気さんで間違いないでしょう。岩井さんは「腐り芸人」として出演する『ゴッドタン』(テレビ東京系)を筆頭に深夜帯の出演が多く、さらにタモリさんのように多才な芸人としても知られていました。いずれにしても一般的な「昼の顔」というイメージとは異なる人選であることが共通しています。
「テレフォン」と「ぽいぽい」の共通点
4番目は、「曜日替わりの若手アナウンサーを起用している」こと。『笑っていいとも!』の「テレフォンアナウンサー」が若手アナウンサーの登竜門になっていたように、『ぽかぽか』も3年目以内の若手アナウンサーが日替わり出演してフレッシュなムードを醸し出しています。
5番目は、「ゆるい番組アシスタントがいる」こと。『笑っていいとも!』には「いいとも青年隊」というアシスタントがいましたが、『ぽかぽか』はマスコットキャラクターのまんぷく昼太郎が備品の持ち運びや告知ボード持ちなどを担当。どちらも「カッコイイ」「仕事ができる」というより、脱力系のアシスタントという点が共通しています。
6番目は、「テーマ曲が流れてMCが登場するオープニング」。『笑っていいとも!』は「ウキウキWATCHING」、『ぽかぽか』はチャラン・ポ・ランタンの「ぽかぽか」が流れる中、MCが階段から歩いて登場するショー形式の演出を採用しています。
7番目は、「メインコーナーが日替わりゲストのトークである」こと。『笑っていいとも!』の「テレフォンショッキング」がそうだったように、『ぽかぽか』は「ぽいぽいトーク」がメインコーナーとなっています。
8番目は、「トークコーナーの終盤にゲストのアンケート企画がある」こと。『笑っていいとも!』はタモリストラップがもらえる「100分の1アンケート」でしたが、『ぽかぽか』にも昼太郎ピンバッジがもらえる「たぶん自分が1番ランキング」。どちらもゲスト自ら考えたお題で狙った数値を出すアンケートコーナーです。
9番目は、「トークコーナーの終盤に翌日ゲストへのリレーがある」こと。『笑っていいとも!』が翌日のゲストを紹介したように、『ぽかぽか』にも「翌日ゲストの『○○っぽい』を言ってもらう」というリレー方式の演出があります。これも連日のトークコーナーにつながりをもたせる構成のアレンジでしょう。