ある被害者はクリニック「X」にLINEで痛みを訴えるも、連絡は放置され続けた

ある被害者はクリニック「X」にLINEで痛みを訴えるも、連絡は放置され続けた(提供写真)

 本誌・女性セブンが調べたところ、Xは実際、モニター募集を常時行っていた。しかし、契約を急がせるため、勧誘に際しては毎月「当月限り」とうたっていたようだ。

「その後、ビデオ会議で詳細を聞いたのですが、『実質無料』には引っかかる点がありました。治療を開始する前に、187万円の全額を一旦支払う必要があるというのです。ただその支払いには銀行の医療ローンが利用でき、毎月の返済額と同額をXが『モニター報酬』として送金するので、負担はゼロになるとも説明されました。医療機関が嘘をつくなんて疑ってもいない私はその後、ローン審査とXの銀座院での医師の診察を経て、治療を開始しました。医師に言われた通り、理想的な歯並びになることを楽しみに、食事のとき以外は常にマウスピースをつけていました」(Aさん)

 しかし、治療開始から9か月後に事態は暗転する。

「2022年3月に、モニター報酬の支払いが止まったのです。Xからは“ロシアのウクライナ侵攻が原因で、送金システムが停止した”という意味不明の言い訳が一方的に送られてきただけで……」

 その後、X側と連絡がつかなくなり、ついには閉院したことで治療が中断してしまったAさん。一方、銀行の医療ローンの毎月の返済額、5万6700円の引き落としだけは続いている。

治療前よりも前歯が出てしまった人も

 Xが患者にもたらしたのは、経済的損失だけではない。

 関東在住の女性Bさん(30代)は2020年8月、勤務先に客として訪れた男性営業マンから「担当する院長は日本一。芸能人も施術している」と、院長と芸能人が一緒に写っている写真を見せられた。その勧誘を受け、同年12月からモニターとして治療を開始。しかし、数か月後には、不具合を感じるようになった。

「あごの痛みやかみ合わせの悪さが強まってきたので2か月ごとの定期診察の際に訴えたのですが、診察を担当する歯科衛生士は“よくあること”の一点張り。医師に診てもらうことを何度も要求しましたが、かないませんでした。不満を感じながらも治療は続けていましたが、2022年3月にモニター報酬の送金が止まったことで一気に不信感が高まり、ほかの歯科クリニックでセカンドオピニオンを仰いだところ、顎関節症と診断されました」(Bさん)

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