浜田雅功は「にいやんが先に逝ったら、棺桶開けて黄色いメガネかけさすからなー」と語っていた(時事通信フォト)
「にいやんは黄色いメガネかけとかんと、にいやんやない」
59歳の時、ものまねタレントの神奈月たちと千葉県のゴルフ場でプレーをしている最中に胸の痛みを訴え、救急搬送された。一命を取り留めたが、この時も急性大動脈解離が発症していた。生前、笑瓶さんはこんな死生観を語っていた。
〈新聞の片隅に訃報・笑福亭笑瓶って出たときに「ああ、あのメガネが死によった」って。そう言ってくれる人が多ければ、うれしい。
そんな話していたら、浜ちゃん(※編集部註:浜田雅功)が「にいやんは黄色いメガネかけとかんと、にいやんやない。だから、にいやんが先に逝ったら、棺桶開けて黄色いメガネかけさすからなー」って言うてくれてね。「悲しいこと言うなや」と応えつつも、ある部分、うれしいことでしたよ。芸人として。死んだ後にもキャラが残るというのは、ね。〉(『BIG tomorrow』 2003年3月号)
笑瓶さんは、こう話した後、稀代の芸人を羨んでいた。
〈さんまさんなんかが横山やすし師匠のものまねをやっているでしょう。そんなん見ると、師匠は亡くなっても、そのキャラクターだけは息づいている。素直に「すっごいなぁー」と。あれが伝説の芸人さんやなと思うわけです。自分もあそこまでいけるかなぁ。無理かな。どうかなぁ……と。
ただ、自分はあそこまではいかなくとも、曲がりなりにもお笑いという自己表現で生活できるまでのカタチになった。それでいいやと思ってます。〉(前出・BIG tomorrow)
思いもよらないタイミングで、突然の笑瓶さんの訃報に、驚き、哀しんでいるファンは少なくないはずだ。しかし、笑瓶さんの生んだ無数の笑いと、その笑顔は、人々の記憶に長く残り続けるだろう。