ライフ

体毛を季語にしたがる俳人・佐藤文香さん「毛を生やすのは個性。メイクは個を消す作業」

体毛やメイクと「個」との関係に言及した佐藤文香さん

体毛やメイクと「個」との関係に言及した佐藤文香さん

 近年、大きく変化しつつあるのが“毛”に対する常識。脱毛する男性がどんどん増える一方で、自然な姿を目指して脱毛を辞める女性も現れている。体毛を季語にした句を発表している俳人の佐藤文香さんが、「毛」について語る。

 * * *

タンメンの湯気ほがらかに鼻毛抜く
左手の剃る右腋や腋毛落つ

 これは私が「ネオ歳時記」という企画で、「鼻毛抜く」を春の季語、「腋毛」を夏の季語として詠んだ句です(まだ歳時記の季語にはなっていない言葉です、ご了承ください)。

 春は新生活がスタートする時期で、卒業式や入学式などの行事の際、記念写真などに写る機会が増えるものです。普段はあまり鏡を見ないという人も鼻毛が出ているかどうかをチェックする、その身だしなみを整える心にこそ春が訪れるとしました。

 夏にはノースリーブや水着になるときに剃るなど、とにかく薄着になることで腋毛の処理をする人がほとんどでしょう。ただ最近では「女性は脱毛せねばならない」という固定観念を壊す意味合いで、自然に腋毛を生やしたままの女性も増えています。海外では腋毛をカラフルに染めてSNSに投稿する女性も。

 夏に限らず一年中肌を見せない服装で過ごせるのに、毛を見せてでも、または毛を処理してでもタンクトップになりたいとか水着が着たいとか、そんな開放的な気持ちになることこそ、夏らしさなのかなと思います。

 そもそも私は動物(けもの)好きで、たくさん毛が生えている生き物はかわいいと思っています。カナダオオヤマネコやマヌルネコなど、寒いところの大きなネコ科動物の毛のボリュームは素晴らしい。それもあってか、女性の腋毛や腕毛にはグッとくる方です。抑圧への抵抗うんぬんといった精神性の問題ではなく、単純に自分の嗜好的に好ましい。

 社会的に見たら、脱毛は理性的で生やすのは野性的。もしくは、脱毛は画一化で生やすのは個性、と考えられるのではないでしょうか。

 私自身は小6の頃から髪の毛に天然パーマが発生し、男子にボンバーと呼ばれるなどずっと髪の毛に悩まされてきました。顔面、腕、スネの毛が濃くて眼鏡っ子。普通になりたい、マシになりたいという思いが強かったですね。

関連記事

トピックス

火事が発生したのは今月15日(右:同社HPより)
《いつかこの子がドレスを着るまで生きたい》サウナ閉じ込め、夫婦は覆いかぶさるように…専門家が指摘する月額39万円サウナの“論外な構造”と推奨する自衛手段【赤坂サウナ2人死亡】
NEWSポストセブン
ヴァージニア・ジュフリー氏と、アンドルー王子(時事通信フォト)
《“泡風呂で笑顔”の写真に「不気味」…》10代の女性らが搾取されたエプスタイン事件の「写真公開」、米メディアはどう報じたか 「犯罪の証拠ではない」と冷静な視点も
NEWSポストセブン
来季前半戦のフル参戦を確実にした川崎春花(Getty Images)
《明暗クッキリの女子ゴルフ》川崎春花ファイナルQT突破で“脱・トリプルボギー不倫”、小林夢果は成績残せず“不倫相手の妻”の主戦場へ
週刊ポスト
超有名“ホス狂い詐欺師風俗嬢”だった高橋麻美香容疑者
《超有名“ホス狂い詐欺師風俗嬢”の素顔》「白血病が再発して余命1か月」と60代男性から総額約4000万円を詐取か……高橋麻美香容疑者の悪質な“口説き文句”「客の子どもを中絶したい」
NEWSポストセブン
迷惑行為を行った、自称新入生のアビゲイル・ルッツ(Instagramより)
《注目を浴びて有料サイトに誘導》米ルイジアナ州立大スタジアムで起きた“半裸女”騒動…観客の「暴走」一部始終がSNSで拡散され物議に
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《異なる形の突起物を備えた光沢感あるグローブも…》10代少女らが被害に遭った「エプスタイン事件」公開された新たな写真が示唆する“加害の痕跡”
NEWSポストセブン
「みどりの『わ』交流のつどい」に出席された秋篠宮家の次女、佳子さま(2025年12月15日、撮影/JMPA)
佳子さま、“ヘビロテ”する6万9300円ワンピース 白いジャケットからリボンをのぞかせたフェミニンな装い
NEWSポストセブン
オフシーズンを迎えた大谷翔平(時事通信フォト)
《大谷翔平がチョビ髭で肩を組んで…》撮影されたのはキッズ向け施設もある「ショッピングモール」 因縁の“リゾート別荘”があるハワイ島になぜ滞在
NEWSポストセブン
愛子さまへのオンライン署名が大きな盛り上がりを見せている背景とは(時事通信フォト)
「愛子さまを天皇に!」4万9000人がオンライン署名、急激に支持が高まっている背景 ラオス訪問での振る舞いに人気沸騰、秋篠宮家への“複雑な国民感情”も関係か
週刊ポスト
群馬県前橋市の小川晶前市長(共同通信社)
「再選させるぞ!させるぞ!させるぞ!させるぞ!」前橋市“ラブホ通い詰め”小川前市長が支援者集会に参加して涙の演説、参加者は「市長はバッチバチにやる気満々でしたよ」
NEWSポストセブン
ネットテレビ局「ABEMA」のアナウンサー・瀧山あかね(Instagramより)
〈よく見るとなにか見える…〉〈最高の丸み〉ABEMAアナ・瀧山あかねの”ぴったりニット”に絶賛の声 本人が明かす美ボディ秘訣は「2025年トレンド料理」
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
《チョビ髭の大谷翔平がハワイに》真美子さんの誕生日に訪れた「リゾートエリア」…不動産ブローカーのインスタにアップされた「短パン・サンダル姿」
NEWSポストセブン