僕はもともと音楽が得意で、音程どおりに歌えるのは特技なんです。カラオケボックスがブームになった1990年代から、1人カラオケをしていました。だから、音程バーに当てて歌えるのは、長年に渡って練習してきたたまもの。「ほいけんちゃんねる」では、ものまね抜きで歌っている動画も上げているので、そちらも見てほしいですね。
カラオケボックスでは、ショーパブなどで披露する芸の練習もしていました。カラオケボックスができる前は、カラオケはスナックやクラブにしかなく、人前で歌うものでしたから、自信のある鉄板ネタしかやれず、新ネタを作れませんでした。でも、カラオケボックスなら誰にも見られないので、やってみたいものまねなどを「いつか芽が出るかも」と思いながら、種をまいて水をやり続けるように、地道な努力をしてきたんですよ。
音楽好きは両親の影響ですね。父親はプロのバンドマンで、キャバレーなどでベースを弾いていたらしいです。「らしい」というのは、両親は僕が小学校1年のときに離婚して、僕と弟は母親に育てられたので、大きくなってから母親に聞いたんです。母親のほうも美術や書道が得意な芸術系の人。僕はそんな両親のもとに生まれ、幼稚園に入った頃、少しの期間でしたがピアノを習っていました。そのおかげで絶対音感があるんですよ。
(後編に続く)
取材・文/中野裕子(ジャーナリスト)写真/山口比佐夫