肺炎による年齢別の死亡率
そして、もう一つは免疫を強める働きのたんぱく質を付けた13価の結合型ワクチン。この13価ワクチンは対応可能な肺炎球菌の種類は少ないが、免疫を強める効果が高い。
今現在、免疫機能が低下している人や持病がある高齢者などに対してはブースター効果を狙い、まずは13価の結合型ワクチンを接種、間を空けて23価のワクチンを接種する方法も行なわれている。
「実は、小児の肺炎球菌ワクチン接種が進んだおかげで、ワクチンに含まれる血清型の肺炎球菌感染症が高齢者でも減少傾向にあります。それでもまだ、ワクチンに含まれない血清型の肺炎球菌に感染する高齢者の増加がみられます。その増加を抑えるため、今春には15価の結合型肺炎球菌ワクチンが承認され、接種が行なえるようになります」(永井感染症科部長)
65歳以上の肺炎球菌の定期接種に関しては各自治体が補助金制度を用意している。65歳以上でワクチン未接種の方は、お住まいの自治体に問い合わせてみよう。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2023年3月24日号
永井英明・国立病院機構東京病院感染症科部長