バラエティをやっていると監督たちから、だんだんと声がかからなくなってくるんですよね

「バラエティをやっていると監督たちから、だんだんと声がかからなくなってくる」とも語る、演出家でもある原田さん (撮影/大山克明) 

 その後はテレビにも活躍の場を広げ、役者のキャリアを伸ばしていく一方で、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』でバラエティにも進出する。

「1985年の映画『悲しい気分でジョーク』(瀬川昌治監督)に喜劇役者の役で出演したんだけど、主演が北野武さんでね。たけちゃんとはその時初めて会った。彼も明治大学で、僕のほうがちょっと先輩。そんな話からちょっとした馬鹿話なんかして、意気投合したんですよ。そしたら後日、『元気が出るテレビ』のプロデューサーから連絡がきて、『たけちゃんが原田大二郎が欲しいと言ってるんです』ってことだったらしい。

 マネージャーは、バラエティ色があまり強くなるのはよくないと反対したけど、呼んでくれた人の気持ちに応えたいと思って出演することになった。それが『地球おいしいぞ』という料理番組で、1年半にわたって世界を食べ歩く番組にもつながったんですよ」

 以降はバラエティだけでなく旅番組などにも意欲的に出演して活躍の場を広げていくのだが、ご本人の中には複雑な思いもあるようだ。

「なんと言うのかな。バラエティをやっていると監督たちから、だんだんと声がかからなくなってくるんですよね。でも最初は気が付かなかったの。いつも全力だからね。突っ走ってる時は気が付かないもんなんですよ。あれ? ちょっと減ってきたな、どうしたんだろう、あらら変だな……て気がついたのは、70歳を超えてからだね(笑)」

 そう自身の現状についてジョークを絡めて語る原田さんだが、役者としての健在ぶりは今も変わらない。『ちっちゃな星の王子さま』の稽古で息子の虎太郎さんに演技を付けているときの彼は、舞台を心から楽しんでいるように見える。

 役者であり演出家であり何より父親である原田大二郎の挑戦は続く。

【了。前編から読む

聞き手・文/末並俊司

【プロフィール】

原田大二郎(はらだ・だいじろう)/1944年生まれ。1967年に明治大学卒業後、劇団文学座へ入座。1970年に映画『裸の十九才(新藤兼人監督)』でエランドール新人賞を受賞。50年以上、舞台、映画、テレビなど様々な分野で活躍。1985年には『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で幸せ配達人として出演し、お茶の間の人気者に。以降、役者だけでなく旅番組のMCなどオールマイティに活動。2023年3月16~19日の舞台『ちっちゃな星の王子さま』(下北沢「小劇場B1」)では脚本・演出・出演の3役をこなす。

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