尻を叩いて勉強させるのではなく、あくまで自身はサポートに徹し、自慢の料理の腕を振るった。
「長男の自主性に任せていましたが、何しろ思いっきり思春期真っただ中で。私はサンドバッグのように受け止めていました。せめて手作りのお弁当や帰宅後のご飯はおいしいものをと心がけていたかな」
塾から帰宅するのは23時
長男が塾から帰宅するのは毎日23時近かった。それでもみきママは温かいご飯を食べられるようにタイミングを見計らい、一緒に食卓につく。
「“早く食べなさい”とは言わずに、今日は何を勉強したか、何を頑張ったのかという話を、毎日聞いていました。ストレス解消になったらいいなと思っていたんですね」
当時まだ幼稚園児の娘を寝かしつけたら、今度は中学受験組の次男の夕飯を準備し、そして帰宅した長男を迎える。夕飯のあと、また勉強などをこなした長男が就寝するのは深夜0時を回ってからだったが、みきママは先に寝ずに待っていた。
「息子が電気を消して就寝するまでは必ず起きていました。ひとりだけ起きて勉強していると寂しく感じるかなと思ったんです。電気が消えたのを確認してから、私も寝る。翌日も朝7時起きなので、これが案外つらいんです。でも、疲れていてすごく眠い日も頑張って起きていました。私は何も勉強してなかったですけど(笑い)」
きっと大学合格の裏にも、母親の温かな愛情があったのだろう。