佐藤仁美
「結婚を決意した段階では、男性側ももちろん一生添い遂げるつもりではあるのだと思います。しかし、学ぶべきところを学びきったと男性側が感じた瞬間に、“もう一緒にいる必要はない”という結論に至るのでしょう。
私の元に届く、年上妻と年下夫の相談も、年下夫が妻への興味を失い、別れを切り出す、あるいはすでに別の女性と浮気をしている、というケースが多く見受けられます。中には妻と離れて仕事を優先させたくなった、と“独り立ち”を理由に離婚を切り出す男性もいます。妻を母親のような存在として見ているのかもしれません」(前出・岡野氏、以下同)
周囲の反応が気になり、離婚に至るケースも。
「他人の目を気にしてしまうタイプの男性であれば、友達から“そんな年上の人と付き合ってるの?”と驚かれたりすることで、急に年齢が気になり出すというパターンもあります。反対に、年下夫が急に年の差を気にして揺らいでいるのを見て、妻側が“頼りない”と感じて離婚を切り出すという話も聞きます」
もちろん、すべての年下夫との結婚が離婚というバッドエンドを迎えるわけではない。
「年上妻の知識や経験を吸い付くそうとするバンパイアのような男性ではなく、高みを目指していきたいからこそ支え合える頼もしい存在を欲している男性であれば、年齢は関係なく円滑な夫婦関係を築いていくことができるでしょう。しかしその違いを結婚前に見抜くのは、なかなか難しい」
離婚しないための対策はあるのか。岡野さんは「対策はないので、結婚前に覚悟をしておくことが必要です」と次のように話した。
「結婚する前から離婚する可能性もゼロではないと頭の片隅で想定しておくとよいでしょう。年下夫から離婚を切り出されたときに、婚姻関係にがんじがらめになると、自分も相手も苦しくなってしまう。婚姻届をもらいにいくときに離婚届も一緒にもらう、くらいの覚悟があるのが理想です」
今や結婚した3組に1組が離婚するといわれる時代。年の差婚に限らず、結婚がゴールではないことを肝に銘じたい。