スポーツ

東大野球部、ソフトバンク3軍に“最大の挑戦”の顛末 偏差値70超のデータ野球は通用するか

ソフトバンクホークスの3軍に挑んだ東大野球部

ソフトバンクホークスの3軍に挑んだ東大野球部

 非常にハイレベルな文武両道を体現するのが「東大野球部」だ。日本最高峰の大学でありながら、数多くのプロ野球選手を輩出する「東京六大学野球連盟」に所属している。優勝経験はなく毎シーズン苦戦を強いられているが、他大学との実力差を埋めるべく持ち前の頭脳を使った練習に取り組んでいる。そんな東大野球部が3月4日、創部以来“最大の難敵”に挑んだ。プロ野球・ソフトバンクホークスの3軍と対戦したのだ。どんな戦略で臨むのか、そして結果は──。自身も東大OBのジャーナリスト・相澤冬樹氏がレポートする。

 * * *

大会にはWBC出場国の代表も参加

「ほらほら、あの人、ドラ1(イチ)、ドラ1!」

 プロ野球・福岡ソフトバンクホークスの2019年ドラフト1位指名、佐藤直樹選手が試合前に練習場で体をほぐしている。その姿を遠目に見つめながら興奮気味に言葉を交わしているのは、東京大学運動会硬式野球部の選手たちだ(運動会は他大学の体育会にあたる)。東大生であろうと、野球部員にとってプロ野球選手は“雲の上”の存在だ。しかも彼らはこれから、その憧れのプロ球団と試合に臨むのである。

 プロとアマの対戦は、なぜ実現したのか? この時期、九州各地で温暖な気候を求めて学生・社会人・プロを問わず様々な野球チームが春季キャンプを張る。そうしたチームに呼びかけて所属リーグの垣根を越えた夢の交流戦を実現しようと、鹿児島県で今年2~3月にかけて「薩摩おいどんカップ」が初めて開催された。

 大学と社会人チームのほか、プロ野球から巨人とソフトバンク、さらには今注目のWBCのため来日した中国代表まで加わり、総勢37チームが参加。その一環として東京大学とソフトバンクの3軍の試合が3月4日に行われることになった。これは注目の一戦だ。

 東大野球部は、所属する東京六大学リーグで20年以上、最下位が定位置になっている。高校野球の強豪選手を擁する他大学とはどうしても厳しい戦いになる。そんな中、今年の主将・梅林浩大内野手は東大には珍しく、高校時代に春のセンバツ野球大会でベンチ入りした甲子園経験者である。今回のプロ球団との対戦をどう受け止めているのか。

「ぼくらはみんな野球が好きで野球部に入ってきていますので、こんなカードを組んでいただけたっていうのがすごく楽しみです。プロと対戦なんてもちろん初めての経験ですし、なかなか緊張する場面でもありますね。自分たちがプロを相手にどれくらい力を出せるのか不安もあります」(梅林選手)

 梅林選手が考える東大野球の持ち味はどういう点にあるのだろうか。そして、プロの対戦という珍しい状況でどういった「目標」を設定しているのか。

「足っていうのが強みというか、それだったら他大学にも対抗できるんじゃないかっていうことで2年くらい前から走塁練習に力を入れています。最近は六大学でも警戒され始めてるんで、きょうの試合でも足を使って(盗塁して)いきたい。相手がプロなのでどれくらい走らせてくれるかわかりませんが、積極的にいこうと思います。プロ相手に厳しいとは思いますけど、もしかしたら勝てるかもしれないという気持ちは持ちたいですね」(梅林選手)

関連記事

トピックス

サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さんが綴る“からっぽの夏休み”「SNSや世間のゴタゴタも全部がバカらしくなった」
NEWSポストセブン
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン
現場は246号線からすぐの場所だった
「マンションを出たら血溜まりが見えて…」世田谷・韓国籍40代女性切りつけ事件、近隣住民が証言 閑静な住宅街で“緊迫の現場”
NEWSポストセブン
オリエンタルラジオの藤森慎吾
《オリラジ・藤森慎吾が結婚相手を披露》かつてはハイレグ姿でグラビアデビューの新妻、ふたりを結んだ「美ボディ」と「健康志向」
NEWSポストセブン
川崎、阿部、浅井、小林
〈トリプルボギー不倫騒動〉渦中のプロ2人が“復活劇”も最終日にあわやのニアミス
NEWSポストセブン
別居が報じられた長渕剛と志穂美悦子
《長渕剛が妻・志穂美悦子と別居報道》清水美砂、国生さゆり、冨永愛…親密報道された女性3人の“共通点”「長渕と離れた後、それぞれの分野で成功を収めている」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《母が趣里のお腹に優しい眼差しを向けて》元キャンディーズ・伊藤蘭の“変わらぬ母の愛” 母のコンサートでは「不仲とか書かれてますけど、ウソです!(笑)」と宣言
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《お出かけスリーショット》小室眞子さんが赤ちゃんを抱えて“ママの顔”「五感を刺激するモンテッソーリ式ベビーグッズ」に育児の覚悟、夫婦で「成年式」を辞退
NEWSポストセブン
負担の多い二刀流を支える真美子さん
《水着の真美子さんと自宅プールで》大谷翔平を支える「家族の徹底サポート」、妻が愛娘のベビーカーを押して観戦…インタビューで語っていた「幸せを感じる瞬間」
NEWSポストセブン
24時間テレビで共演する浜辺美波と永瀬廉(公式サイトより)
《お泊り報道で話題》24時間テレビで共演永瀬廉との“距離感”に注目集まる…浜辺美波が放送前日に投稿していた“配慮の一文”
NEWSポストセブン
芸歴43年で“サスペンスドラマの帝王”の異名を持つ船越英一郎
《ベビーカーを押す妻の姿を半歩後ろから見つめて…》第一子誕生の船越英一郎(65)、心をほぐした再婚相手(42)の“自由人なスタンス”「他人に対して要求することがない」
NEWSポストセブン