壱岐市役所がYouTubeでは「いきっこ留学」の意義を解説する動画が公開されている。留学先の室内の様子

壱岐市役所が運営するYouTubeチャンネルでは「いきっこ留学」の意義を解説する動画が公開されている。留学先の室内の様子

「隼都くんは中3のときに不安定な状態になり、『僕はどうせひとりぼっち』のようなことを言ったり、自分の頭を叩くなど自傷行為をするようになりました。ついに『自殺したい』とまで言い出したので、『そんなことを言うな。目を覚ませ』と両肩をつかみビンタしたことがあります。でもその一度だけで、ほかの子に対しても日常的に手を上げていたようなことはありません」

『週刊文春』では、“台風の中、隼都さんを含めた留学生たちを罰として外で正座させた”という証言もあった。

「正座ではなく、あぐらをかいて輪になって話したというか……。スマホの使い方に関することで、うちの実子も一緒に叱りました。最後は『台風には自然の力強さがある』という話になり、みんなで自然を味わった後、談笑しながら家に戻りました。それからコーンスープを飲んで、順番にシャワーを浴びましたよ。

 たぶん隼都くんが『こういう出来事があったよ』と誰かに話したことがマスコミに歪んで伝わっているようで、そんな話になっているのかと私もびっくりしています」

 子どもたちの日頃の様子や、叱ったことなどは実親たちにも共有している。隼都さんに手を上げたことや台風の日のことも、当時、彼の父親に報告したという。

食事のおかずが少ない疑惑

 隼都さんはAさんに月8万円(補助金があり、自己負担は4万円)を支払っていた。Aさんは7人の留学生を抱えているため、月に56万円のホームステイ料を受け取っていたことになる。

「妻には『子どもたちにはたくさん食べさせてあげてよ』と伝えていましたが、『これだけの人数がいると大変なんだよ』と叱られちゃったりもして、8万円でやりくりするんだから苦労をかけるよなという思いでいました。

 文春では“おかずが少ない”という話も出ていましたが、たとえばミートボールが25個あるとして、『みんな3つずつだけど、足りなければパンがあるよ』とか『どうしてもミートボールがもっと食べたいなら分けるよ』というふうにやり取りして調整していくのがうちの食卓です。その輪に加わらず、『ゲームがしたいから』とすぐ部屋に戻るような子も過去にはいましたが、私自身は『好きなだけ食べろ』という方針でした」

 Aさんは壱岐島の出身だ。地元で何かできないかと考えたとき、里親制度について知り、「島で成長する子どもたちのお父さん、お母さんになりたい」という気持ちが湧いた。壱岐市で里親制度を始めると聞いて真っ先に手を上げ、2017年頃から今まで16人の子どもを預かってきたという。

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