工藤はソフトバンクで2015年から7年間指揮を執り、3度のリーグ優勝、5度の日本一を達成。2017年から4年連続日本一に輝くなど短期決戦での勝負強さにも定評がある。当時を取材した記者が語る。

「投手の育成能力に定評があり、千賀滉大、石川柊太らを一本立ちさせて球界を代表する投手に育て上げたことは有名ですが、同様に評価が高いのがその人柄。就任当初はコーチ陣や選手と壁を感じることも少なくなく、衝突もあったようですが、それから工藤さんも反省し、接し方を変えている。やっかみで“あの選手層なら誰が指揮しても勝てる”と言われたことも少なくなかったが、救援陣の疲労を考慮したローテーション起用を組み立てるなどチームマネジメントにも優れている。WBCは選手を自由に起用できるとは限らず、時には12球団やメジャー各球団の要望にも配慮しなくてはならない。そういう点でも工藤さんがいいのではないか」

 ただし、その工藤案の実現には難しい面もあるという。メディア関係者がこう語る。

「工藤さんはソフトバンク監督退任後も12球団などから監督のオファーがきていますが、某県で家族と暮らしていて“今は家族を優先したい”と消極的だと言われています。もちろん3年後にどうなっているかわかりませんが……」

 今大会のコーチ陣からの昇格という可能性もあるという。キー局スポーツ担当が語る。

「吉井理人投手コーチも有力な選択肢でしょう。NPBが次の大会で期待しているのは、今回全米デビューを果たした佐々木朗希の更なる活躍です。メキシコ戦では4回3失点でしたが、HRを打たれた失投以外はメジャーの一流打者たちも捉えきれず、世界に通用することを証明した。吉井コーチは佐々木を入団以来、二人三脚で育てていて、その技術論は侍の投手陣からも“吉井さんの教えは的確だ”と好評だった。今年からロッテの監督に就任したので、その成績次第という面もありますが有力候補です」

 全国紙スポーツ担当記者は「監督になってほしいのはモチベーター的な働きができる人」とし、高津臣吾の名を挙げる。

「今回の大会を見ればわかりますが、侍選手個々の能力はメジャーの一流選手たちと謙遜ない。1次リーグから大不調だった村上宗隆が準決勝、決勝で生まれ変わったのは栗山監督が常に村上を励まし続けたから。侍の監督は選手たちが普段通りの力を発揮できるよう言葉や気配りができる人が最適です。その点、高津さんは2年連続最下位だったヤクルトを選手に言葉をかけ続けるなどモチベーター的な働きで優勝に導いた。侍の監督にはルックスも求められると言われていますので、それも的確です。個人的には新庄(剛志)監督も面白いとは思いますが……NPBのお偉い方が首を縦に振るのは難しいかもしれませんね(苦笑)」

 もちろんイチローや松井秀喜といった野球ファン往年の夢も捨てきれない。次の日本代表結成は11月の予定だ。

WBCでは1番打者として活躍したヌートバー

WBCでは1番打者として活躍したヌートバー

優勝後のヌートバー(時事通信フォト)

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大谷がWBC参戦を表明したときも栗山監督が隣に(写真/AFP=時事)

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