その経験と勝負強さは魅力的だが(JMPA)

その経験と勝負強さは魅力的だが(JMPA)

 

 2020年に31歳11か月と史上2番目の速さで通算2000安打を達成。この時は大記録も通過点に過ぎず、張本勲氏しか達成していない通算3000安打も視野に入っていたが、その後は故障が目立つように。昨年は度重なる故障で83試合出場にとどまり、打率.286、5本塁打と長打力が明らかに落ちていた。

 在京球団の元トレーナーは「32~33歳頃から肉体の衰えが来ると言われています。酒を多く飲んでいた選手は特に顕著です。20代は身体能力の高さでカバーできますが、30代中盤になると、体のキレが失われて技術でカバーできなくなった選手を何人も見てきました。坂本選手に当てはまるかはわかりませんが、34歳となり体の変化は感じていると思います」と指摘する。

 どんな名選手も加齢に伴う衰えとは無縁ではいられない。そうしたなかで、坂本がどんな役割を果たしていけるかが注目されるシーズンとなりそうだ。3月28日付の読売新聞では「V奪回 坂本が支柱」という大見出しで高橋由伸・前監督のインタビューが掲載された。坂本に関しては昨季の故障による離脱やオープン戦での不調についての質問を受け、打撃に変化が必要な時期かもしれないと言及している。前出のスポーツ紙記者は、こう語る。

「甘いマスクで“プリンス”と人気を博し、天才打者と呼ばれた高橋氏も、34歳のシーズンでは腰の手術があって1打席の出場のみに終わっています。インタビューではその頃から『飛ばし方』を変えたという経験を明かしながら、坂本にも変化を期待するような内容でした。高橋氏はケガに悩まされながらも30代後半で時に主軸を張ったり、代打の切り札や精神的支柱としての役割を果たし40歳まで現役を続けています。坂本が高橋氏のように引退後も球団に貢献できる人材として期待されているのは間違いない。多くの関係者が生まれ変わった坂本の復活劇を望んでいます」

 坂本は、限界説を吹き飛ばせるか。正念場のシーズンが始まる。

 

侍ジャパンでの坂本(2021年7月。写真/JMPA)

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原巨人全盛期を知る現役選手は坂本と長野のみ(共同通信社)

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巨人でショートのレギュラーとして16 年目を迎える坂本勇人(時事通信フォト)

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