●南佳孝『SOUTH OF THE BORDER』(1978年)
サンバやボサノヴァのリズムを取り入れた1枚。坂本龍一が編曲を担当している。夏を意識した楽曲が揃い、表現されるアーバンでアダルトな世界観は、今日のシティポップの元祖ともいわれる。印象的なジャケットは、池田満寿夫のリトグラフ『愛の瞬間』。
●山下達郎『FOR YOU』(1982年)
現在のシティポップブームを牽引している山下達郎の通算6枚目となるアルバム。レコードは入手しづらかったが、今年5月にアナログ盤とカセットテープでの再発が決定、再び“達郎サウンド”に酔いしれるファンが増えそうだ。
【プロフィール】
栗本斉(くりもと・ひとし)/1970年生まれ、大阪府出身。音楽ライターとして執筆活動を行なう。著書『「シティポップの基本」がこの100枚でわかる!』(星海社)がヒット中。自ら企画・選曲を手がけた2枚組CD『CITY POP STORY』(ソニー・ミュージック)が発売中。
※週刊ポスト2023年4月21日号