ライフ

濃い味のものばかり食べてマヒした味覚をリセットする 食べたい欲求から逃れるための「だし」

(写真/GettyImages)

だしは味覚をリセットしてくれる(写真/GettyImages)

「本気でやせたいなら食べる量を減らせばいい、と頭ではわかっているのに、食欲を抑えられず悩む人が多い。そこで私が注目したのは“味覚”です」

 と言うのは、ダイエット外来医師の工藤孝文さんだ。

「食欲が抑えられないのは意志の問題ではなく、食行動をコントロールするセンサーの『味覚』が狂って『デブ味覚』になっているからだと気づいたのです。

 濃い味のものばかり食べていると、舌がマヒして味の感じ方が鈍くなり、より脂っこいものや激甘なスイーツなどを求めるようになり、やがて摂取するものすべてが高カロリーという恐ろしい事態を招きます。

 また、高脂肪食や糖質を摂取することで、快楽に関係する神経伝達物質のドーパミンが脳で作り出されることもわかっています。実際に食べなくても、想像しただけでドーパミンが作られるようになり、幸福感を求めて脳の『食べたい欲求』が増していくのです」(工藤さん・以下同)

 この強力な欲求から逃れるために工藤さんがすすめるのは、旨味がたっぷりのだし汁=やせるだしを、毎朝1杯飲むことだ。このだしは以下の4つの素材からできている。

●かつおぶし
 食欲抑制効果のある旨味成分「ヒスチジン」が豊富。細胞の新陳代謝に必須の亜鉛を含むので、味蕾の新陳代謝が促進される。

●煮干し
 全身の細胞を活性化させ、老化防止効果のある旨味成分「イノシン酸」に加え、アンチエイジング効果の高いDHA、EPAやカルシウムも豊富。

●刻み昆布
 旨味成分「グルタミン酸」が豊富で、「イノシン酸」との旨味の相乗効果でおいしさ爆発。ネバネバ成分が腸内環境を整え、デトックス効果もある。

●緑茶(茶葉)
 アミノ酸の一種「テアニン」にはリラックス作用があり、ストレス緩和や睡眠の質を改善。茶カテキンが脂質代謝を活発化する。

 さらに、それぞれの持つ旨味成分の相乗効果で、次の5つの効果も期待できる。

1、味覚のリセット
2、食事の満足感を高めて食欲の暴走を防ぎ、食事量を減らす
3、舌だけでなく内臓の味覚センサーも反応して代謝を促し脂肪を燃焼する
4、食物繊維などが腸内環境を改善
5、香りと有効成分が心を穏やかにしてストレスを緩和する

「毎朝、マグカップや湯飲みに『やせるだし』を大さじ1杯入れ、お湯を1カップ弱注いだものを飲んでみてください。平均して3日ほどで味覚が変わったと感じ始めますよ」

【プロフィール】
ダイエット外来医師・工藤孝文さん/くどう内科(福岡県みやま市)院長。内科医。専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病から漢方・ダイエット治療まで多岐にわたる。近著に『専門家がしっかり教える 健康図解 毒出し』(日本文芸社)。

取材・文/山下和恵

※女性セブン2023年5月4日号

 

関連キーワード

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン